◆ スイスの高山植物の名称 (5)

1.種小名の意味するところ (2)

下の写真はゲンティアナ・プンクタタ (Gentiana punctata)と呼ばれる花です。
スイス三大花としてよく知られるエンツィアンと同じ仲間で、リンドウの一種です。花の色が黄色がかったクリーム色ですが、花のつき方や形状を見れば、すぐリンドウの仲間だな、というのがお分かりになるかと思います。
ゲンティアナという名の由来については、既にご案内していますので、今回は種小名のプンクタタについて説明します。

プンクタタの名はラテン語の“puncta-tus”からきており、それは、“斑点のある”という意味です。 写真(下・右の拡大)に見られるように、花冠に茶褐色の小さな斑点が無数についていることから、この呼び名がつきました。
このように草花の種小名には大抵、その特徴や生育する状況などを言い表す言葉が含まれていますので、それらと関連付ければ名前を覚えるのも楽でしょう。

花の名前は、世界のどの国の人とも通じ合えるラテン語で覚えると便利です。また友達同士では“黄色い花で、斑点がたくさんついたリンドウ”でよいでしょう。この花は、日当たりがよく、肥沃な草地や牧草地によく生育し、他の草花より、一際抜きん出て群生します。また、花の特徴としては、花(花冠)が完全には開かないことです。
大抵の花はこんな感じで、咲き終わるころに、やっと半開きになります。