◆ スイスの高山植物の名称 (2)

植物の名称についても同様で、若干難しいと思われる表現でも、あくまで学名を基本にして、かつ一貫性があり、できるだけ正式名に近い表現で情報発信していかないと、今後、さらに混乱が深まるばかりだ、と危惧されます。 
このサイトでは、その取り扱いに悩みながらも、サイトの性格上から、できるだけ植物名をラテン語およびラテン語のカタカナ読みの併記などで表現してきました。
とはいえ、学名の読みについては、横文字の発音をカタカナで表そうとするわけですから所詮無理があり、これが絶対正しい呼び方、と言えるものはありません。
ただ、ラテン語では、絶対にそういう読み方にはならない、というものも多く見られます。
このページでは、そうしたことも含め、これから何回かに分けて、植物の名前がどのように付けられているか、などについて簡単に紹介していきたいと思います。

1.学名の構成
難しい専門的なことを書くと、読むのもイヤになりますから、簡単に述べますと、 学名は、「属名」 と 「種小名」 の二語から成り立っています。 人間で言えば、ちょうど苗字と名前にあたる、と考えてもよいかも知れません。だからこそ、その名前を、いい加減に呼ばれるということは、植物にとっても、あまりよい気持ちがしないことと思います。

学名 属名は名詞で、種小名は形容詞や名詞の属格です。そして左図の通り、前の名詞を修飾するようになっています。

(1) 属名・・・名詞 〈男性名詞、女性名詞、中性名詞がある〉
(2) 種小名・・・a) 形容詞 (名詞の性に応じて語尾が変化する)
    b) 他の名詞の属格。 形容詞とは異なり、語尾変化はしない。
    c) ごくまれに名詞。
(3) 著者名・・・命名者名。出典を明確にしたいときに添えるが、必ずしも必要ではない。