チロルの村を訪ねる旅

[早春にハイキングしていると・・・]
さて今週のお話は、ヨーロッパアルプスに咲く美しく、可憐な春の花についてです。右上の写真(スマホ画面では下欄の上)は日本でも園芸店や花屋さんなどでもよく売られているクリスマスローズです。また、下の写真(スマホでは下欄の下)はスノーフレークです。
日本の園芸店ではハイブリッドにより、いろとりどりのクリスマスローズが売られていますが、これはクリスマスローズの中でも原種(学名:Helleborus foetidus)です。日本の山を歩いていても、まず自生のこの花は見られませんが、ヨーロッパのある限られた地域ではごく普通に生育しています。
写真はクリスマスローズが延々と1㎞くらい咲いているハイキング道の端で撮ったものですが、春まだ浅き頃、雪融けのしっとりとした小道に咲く姿に感動し、ここを自分で「クリスマスローズの咲く道」と呼んでいます。下の写真はヒガンバナ科のスノーフレーク(Leucojum vernum)で、和名ではオオマツユキソウなどと呼ばれています。
日本の園芸店などで売られているものは花弁の先が緑色が多いのですが、アルプスに生育する花は黄色が多く、とてもおしゃれですね。
夏だけでなく春にスイスやチロルの山々をハイキングしていると、このような可憐な花にたくさん出合えます。

大きい株は、草丈が1.3mくらいにもなります。緑の花弁(実際には花弁でなく、がく)の先に赤茶色の縁取りがされています。

スズランと水仙に似ていることから、別名ではスズランスイセンとも呼ばれ、雪融けとともに美しい花を咲かせます。