サマータールの写真

プファイスヒュッテハイキング

【はじめに】このページはパソコン、スマートフォンのどちらでも見やすいようにレスポンシブで制作しています。パソコンの場合は、文章の前についている番号順に縦にスクロールしてご覧ください。

1インスブルックからハーフェレカールへ上がり、そこからグライルシュイェッフルを経由してゼーグルーベへ戻るノルトケッテハイキングについては、既にこのコースの前編としてご紹介しました。
今回は前編で折り返したグライルシュイェッフルからグライルシュシュピッツェの南斜面を歩き、ゲーテウェッグに沿ってプファイスヒュッテまで行き、再びゼーグルーベへ戻ってくるコースの紹介です。
前編・後編と分けて掲載していますが、実際には連続して歩いたものです。 グライルシュイェッフルの道標の写真
2牧草地になっているコル(鞍部)に立つこの道標が後半部分のスタート地点です。
ここからは下の写真でも見られるようにグライルシュシュピッツェ山頂へ登るコースと、山頂へは行かず南斜面を歩いて行くコースがあります。
このコースはヘルマン・ブール・ウェッグまたはゲーテウェッグ(ゲーテの道)と呼ばれるトレッキングコースで、景観が良く、梯子あり、ワイヤーロープありのなかなかトリッキーなハイキングが楽しめます。今回はこのコースを歩きます。 グライルシュシュピッツェの写真
3たくさんのヒツジさんがのんびりと草を食んでいる牧草地を抜けてゲーテウェッグを東に向かうと、ハイキング道はこんな感じになります。
右側が深く切れ落ちていますが、道幅もそこそこあり、歩きやすいコースです。
右下にはインスブルックの市街がおもちゃの国のように小さく望めます。
グライルシュシュピッツェハイキング道の写真
4 コースは写真でも見られるようにグライルシュシュピッツェの南斜面を北東方向に横切って進みます。
始めは歩きやすい緩い登りが続きますが、先に進むに従って岩場のアップダウンが出てきます。
今日はお天気がよく、遮るものがないので大変暑いです。私がこのコースを歩くときは、運よくいつも良いお天気です。
運よくというよりは、ここは歩行距離が長く滑りやすいところが結構ありますので、お天気が良い日を選んで歩くようにしています。 グライルシュシュピッツェの南斜面の写真
5ワイヤーロープが数か所張られた険しいミューカールシャルテを越えると、コースは尾根の北側に回り込みます。
そして美しいマンドルシュピッツェを右手に置き、そのなだらかな斜面を1キロメートルほどトラバースしていきます。
マンドルシュピッツェの写真
6マンドルシュピッツェの斜面を横切り、やや登りとなったところにある岩肌剥き出しのこの岩を回り込むと、ツークシュピッツのブリックが現れてきます。
この写真にはありませんが、最近訪ねると岩壁に黄色いプレートの道標が打たれていました。
ツークシュピッツブリック道標の写真
7写真はツークシュピッツブリックです。岩でドイツ最高峰のツークシュピッツェの山容を形造り、道標にしたものです。
岩に描かれた上向き矢印のはるか後ろの山並みにツークシュピッツェが小さく望め、ハイカーに人気がある場所となっています。
ツークシュピッツブリックの写真
8コース上はギラギラとした太陽光線が強いうえ、蟻地獄のようなザレ場からの照り返しでチョー暑いです。サングラスは必需品ですし、カメラにもPLフィルターをかけています。
しかし、さすがに標高が2,000mを越えているうえ、岩陰は朝晩の冷え込みと涼風が吹くせいか、真夏なのにところどころにまだ雪が残っています。さらにマンドルシャルテへ向かって進みます。
残雪のあるハイキング道の写真
9 このコースはティンバーライン(森林限界)を越えていますので低木さえ生えず、大半がガレ場、ザレ場です。しかし、ところどころの岩陰には草丈の低い可憐な高山植物が咲いています。
写真は上から順にシレネ・アカウリス(ナデシコ科)、サクシフラガ・ブリオイデス(ユキノシタ科)、ドゥリアス・オクトペタラ(バラ科 和名: チョウノスケソウ)です。 シレネ・アカウリスの写真 サクシフラガの写真 ドゥリアス・オクトペタラの写真
10さらに照り返しの強いザレ場をトラバースしていきます。
ハイキング道の写真

11左手には鋭い岩峰が屹立し、その下のまさに蟻地獄のようになった斜面を横切っていきます。
ハイキング道の写真
ハイキング道の写真
12インスブルック市街と塩の街として有名なハル・イン・チロルの街が望めます。
ハルの街は神聖ローマ帝国時代から岩塩の採掘場として知られており、ハル(Hall)の名はケルト語で塩を示す言葉です。
左の峰はアルツラ―シャルテへのコースです。 ハル・イン・チロルの街を望む写真
13急な角度のある階段を上ってマンドルシャルテに登り、そしてそれを越え、これから深いサマータールへと下って行く入り口です。
険しい岩場にはチングルマやシレネ・アカウリスなどがへばりつくように咲いています。
ハイキング道の写真
マンドルシャルテの写真
14マンドルシャルテの急登を越えると眼前にルーマーシュピッツェが雄大に聳え、下には美しいサマータールが広がります。
ここからの景色が、このコース圧巻のビューポイントです。この光景を見て、すぐ右下に旧都インスやハルの街があるとはだれが想像できるでしょう。
感動すること間違いありません。 ルーマーシュピッツェの写真
15 マンドルシャルテの急登を越えてガレ場を15分くらい下ると、ヒュッテまで40分という道標が出てきます。
ハイキングの写真
ヒュッテまで40分という道標の写真
16 さらに下って行くとクロイツイェッフルのハイキング道に分ける道標がでてきます。。
クロイツイェッフルの写真
17マンドルシャルテを越えて高山植物が美しいサマータールへの道を下ると、ハイキング道の先に目指すプファイスヒュッテが小さく望めるようになります。
この辺りから眺める景色はスケールが大きくとても素晴らしいです。
サマータールの写真
18さらに滑りやすいガレ場、ザレ場を下って緩やかに反時計回りに進むと、ヒュッテがだんだん大きく見えてきます。
そしてクロイツイェッフルへのコースを右に分けさらに下って行きます。
すぐにヒュッテは小高い丘と低木に隠れて見えなくなってしまいます。
プファイスヒュッテの写真
19このコースはインスブルック側から入ると歩行距離は長いけれどアプローチがよく、途中に梯子があったりワイヤーロープが張られたりして、なかなか面白いです。
チロルの中でも私の好きなコースの一つであり、よく歩きます。
山の景色や、コース上に咲く花に大きな変わりがありませんが、ヒュッテは何度かリニューアルされ、直近に訪ねた際には太陽熱を利用したエコ化がより図られていました。 プファイスヒュッテの写真
20写真はヒュッテの壁に設置されたプレートです。ヒュッテは1925年と1926年に建てられたと書かれ、何故か標高はマップやブローシャーに記された1,922mでなく、1,950mとなっています。
ヒュッテはサマータールの中ほどに位置し、クラインシュテンペルヨッホシュピッツェ、グロスシュテンペルヨッホシュピッツェ、ルーマーシュピッツェ、ブランドヨッホなどの岩壁に囲まれています。
プファイスヒュッテの写真
21小休止をしたら記念石などを見ながら丘を越え帰路につきますが、暑さのためマンドルシャルテまで25分と書かれた道標のある急登が結構こたえます。
ヒュッテで一緒だったハイカーがジグザグを切りながら前を登っています。
マンドルシャルテまで25分の道標の写真
この後は往路と同じコースをたどりましたので省略します。

【所要時間】後半部分のスタート地点グライルシュイェッフルからプファイスヒュッテまで1時間45分。途中で小休止したり、写真を撮ったりしますので片道2時間強、往復で4時間くらいです。
前編、後編を通して歩く場合は6時間はみておきましょう。

HOMEへ戻る