ツェルマットからロープウェイでシュヴァルツゼーまで上がり、
マッターホルンの北壁を左手に見ながらツムット村へと下
る途中に、シュタッフェルという場所(分岐)がある。
本コースは、その分岐からツムット氷河の方へ深く入り、
SAC/CASのシェーンビールヒュッテまで行き、小休止後、
折り返してツェルマットへ戻るものである。
(注)歩行距離も長いし、谷の奥深くに入るので、山の初
心者の単独行は絶対に避けていただきたい。
シェーンビールヒュッテ往復ハイキング
@ Zermatt
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このコースは、カレンダーや絵葉書で見慣れたマッターホルンの東壁でなく、馬の背のようになった北壁を見ながら歩くコースである。歩行距離は約23㎞と長く、ハイカーも多くないので、山歩き中級以上の方にお奨め。 次へ ▶
シュヴァルツゼーの方からシュタッフェルの方へ下っていくとき、前方左手の下方に、これから歩く、荒涼としたモレーンと、ヒュッテへのコースが俯瞰できるので、大体の方向づけと、コースの様子を頭に入れておくとよい。 次へ ▶
シュタッフェルまで下りると季節限定の営業であるが、シュタッフェルアルプのレストランがある。営業していれば、ここでカフェ・軽食もとれる。また、この先ヒュッテまではトイレがないのでここで済ませて行こう。 次へ ▶
シュタッフェルには3方向へ向けた道標がある。一つは今下りてきたシュヴァルツゼー、もう一つはツムット&ツェルマット、そしてシェーンビールヒュッテへの道である。ヒュッテまでは2時間半くらいみておいた方がよい。 次へ ▶
ヒュッテへの歩き始めの道は、広くてフラットだから歩きやすい。晴れていればマッターホルンの北壁が写真のように見える。
このコースは過去数回歩いているが、以下の説明は、2008/7月中旬のものである。 次へ ▶
この辺は昔、氷河が削った場所だから、荒涼としている。標高も2200mと森林限界を超えているうえ、ターミナルモレーン上だから草しか生えていない。電源開発関連の建物の横を通り、目印の滝に向かって進む。 次へ ▶
コースは緩い上り坂になり、道幅は、人ひとりがすれ違うのにやっとくらいである。前方に小さく見える白い縦筋が滝である。この滝のすぐ横を通って登って行くので、これを目印にして歩けば安心だ。 次へ ▶
ここからは、滝のすぐ横に設けられた急登を登っていく。ややきつい登りであるが、10分くらいの辛抱だから、頑張って登ろう。写真の奥の方にツムット氷河が流れ、左側にはマッターホルンの北壁が見える。 次へ ▶
横画面の写真だから滝の迫力をお伝えできないが、流れ落ちる滝の流れとマッターホルンの北壁とのアングルがとても贅沢だ。ちょっとしたガレ場で、道幅も狭いので長居はできないが、この景色を堪能しよう。 次へ ▶
上の道に上がってしまえば、しばらくは素晴らしい景色を眺めながらのハイキングだ。
左手には、小さなツムット川が流れ、それによってできた湿地帯と、いくつかの小さな池がある。晴れていれば最高の展望である。 次へ ▶
しばらく歩くと、道標がある。右へ折れれば、ツェルマットからエーデルワイスヒュッテを経由して登るトリフトへ、まっすぐ進めば目指すシェーンビールヒュッテ。道標には、ここから所要時間1時間と書かれている。 次へ ▶
さらにその先にもう一つ道標が立っている。まっすぐ行けばもちろん目指すヒュッテ、右へ折れれば、上級者向けのアルベンヒュッテ(ARBENBIWAK)方向だ。花の種類は少ないが、高山植物もそこそこ咲いている。 次へ ▶
歩きやすい道を、景色を眺めながらのんびり歩いていると、やがてコース左手に、よく風見鶏の下についている風向指示矢のような変わった大きな道標が出てくる。指示先はもちろんシェーンビールヒュッテに向けてである。 次へ ▶
この辺りはフラットな道で危なくないので、足元に咲く高山植物や美しい山や景色の写真を撮るとよいだろう。あまり水はきれいでないが、コースわきに小さな池があり、湖面に映るダン・デレンがとても美しい。 次へ ▶
さらに進むと、左側にラテラルモレーンの壁が続き、その脇の道を行く。その後ろには雪を抱いた名峰ダン・デレン(Dent d'Herens 4171m)が雄大に聳える。右下のコルからはティーフマッテングレッチャーが流れる。 次へ ▶
標高2694mにあるヒュッテを目指してゆっくり登って行こう。写真で、ゆるく右に旋回しているコースの上の方に黒く見えるのがヒュッテだ。ツェルマットへ帰るなら、ヒュッテから3時間は掛かるので、元気を残しておこう。 次へ ▶
ややきつい登り坂を20分ほど登ると、だんだんヒュッテが大きく見えてくる。ここは絶景の場所に建つことでよく知られたスイス山岳会(SAC/CAS)のヒュッテである。ここから見る景色も抜群だが焦らず行こう。 次へ ▶
スイス山岳会は、今年(2013年)で設立150年である。多くのヒュッテがこのように石造りの立派なものだ。建物の壁にはヒュッテの名前と設立時期が刻まれたプレートが埋め込まれ、重厚感と威厳に満ちている。 次へ ▶
ヒュッテの前のテラスから見たマッターホルンである。普段、写真などで見る山容とは違うので、なんとなく奇妙な感じがすることだろう。昨日雪が降り、今日は一日中、雲一つない快晴である。風になびく旗が美しい。 次へ ▶
天候に恵まれた幸せを感じながら、ここでゆったりと昼食をとろう。日本の山小屋とは違い、下界とほとんど変わらない値段で飲み物や軽食が取れるので、とてお嬉しい。ヒュッテの奥には牛やヒツジでなく、よく馬がいる。 次へ ▶
至福な時間を過ごしたら、帰りは、ここからツェルマットまで、少なくても3時間はかかるので、早速、いま登ってきた道を戻ろう。訪れた人は皆、自らに再訪問を誓いながら、後ろ髪を引かれる思いで、下っていくことだろう。 次へ ▶
再び開けた草原の道を行く。小さな池のあるほとりでは、可愛らしいヒツジさんが草を食んでいる。このコースには、高山植物も咲いているが、特別保護指定植物も生育しているため、敢えて花については特に触れないでおく。 次へ ▶
この辺りでコースが二股に分かれている。一方はラテラルモレーンの上を歩くコースで、もう一方は草地を歩くコースである。どちらもこの先で同じ道に合流するので、往きと帰りで違う道を通れば、より楽しいだろう。 次へ ▶
このコースはシュタッフェルから、さらに2時間ほど奥に入らなければならないので、日本人ハイカーはあまり歩いていない。個人で歩くのが心配な方は、ツェルマットの日本人経営のガイド会社を利用するとよいだろう。 次へ ▶
スタートしたシュタッフェルへ戻らず、そのままツムット村を経由してツェルマットへ下る道があるが、この道はよく落石で通行止めになる。急な場合以外、大抵コース入口に案内板が立っているので、確認して歩こう。 ◀ 戻る
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