ブリエンツ湖駅から蒸気機関車に乗って・・

 
 
 

ブリエンツはブリエンツ湖の東端に位置する大変美しい村である。インターラーケンの町をはさみ反対側にはトゥーン湖が広がる。この村は特に、木彫りの工芸品が有名で、鳩時計やオルゴール、木彫りの人形など、道路沿いにあるお店ではたくさんの素敵なお土産が売られている。
また、ちょっと横道に入ればペンションと見間違えるような素敵なシャレータイプの民家がたくさんある。

ブリエンツへ電車で行くには、ルツェルンからマイリンゲンを経由してインターラーケン・オスト方向へ向かう。所要時間は1時間40分くらいである。

国鉄のブリエンツ駅を降りて湖岸を巡る道路を渡れば、反対側にロートホルンに上るBRB登山鉄道の小さな駅がある。みなさんもご承知の通り、ここの名物はなんといってもミニSL(蒸気機関車)であろう。

 
 

おもちゃのような小さなSLであるが、面白いのは車両を前から引っ張るのではなく、後ろから押し上げるのである。 かなりの急登を上るので、下の写真ように初めから車体が傾けて造ってある。
ただ、ここを走るのは全部がSLではなくジーゼル車も走るので、どうしてもSLに乗りたい人はよく車両を確認してから乗ってくださいね。

また、営業しているのは6月から10月中旬までなので、これを目当てに行く方は気をつけてください。

 
 
 

汽車は駅を出ると、素敵なシャレータイプの民家の間を抜けて行き、やがて右に左にカーブを切りながら急坂を登っていく。山の斜面いっぱいに広がる目にしみるようなグリーンの草地を、人が歩くよりわずかに早いぐらいかな、と錯覚するような超ゆっくりペースで走っていく。
そんなのんびりした早さなので、絵巻物をゆっくり開いていくようにスケールの大きな景色が目の前を流れていく。また窓から視線を線路脇に落とせば、たくさんの高山植物が図鑑をめくるように次から次へと現れては消えていく。

 
 
 

ブリエンツの駅からこの素晴らしい景色を見ながら上ること約50分、やがて汽車は終点のロートホルン・クルム駅に到着する。駅のそばにはホテルやレストランがあるが、ここがこの山の頂上ではないので、ここから歩いてぜひ頂上(2350m)まで登ってみよう。幅の広い歩きやすいジャリ道を15分ぐらい登っていけばすぐ頂上である。晴れていれば、ベルナー・オーバーランドやバリスの山々が360度のパノラマで満喫できる。
そして、帰りは汽車に乗らないで、ぜひブリエンツの村まで歩いて下ってみよう。

 
 

ハイキングは、いま来た同じ道を下り、駅の近くから線路を右に見て、左下に下っていく。そしてしばらくアップダウンのジグザグを繰り返したら、再び線路と交差し、オーバーシュタッフェル(Over Stafel)方向ヘ向かう。あとは線路を右に見たり、左に見たりしながら、線路と同じようなコース取りをして、プランアルプ(フスタート:Husstaat駅)にでる。もし疲れたら、ここから汽車に乗って下りてしまってもよい。

駅に出る手前では道がいくつかに分かれているので、気をつけよう。下のイラストマップには書いていないが、右に折れてOberriedに下るコース、ややまっすぐ進み下のグリーンの点線を下っていくコース、左手下の駅の方に向かってくだるコースなどである。ここではオレンジの点線に沿って下っていこう。

そして、開けた草地を歩き、向かい側の線路に向かって歩いていく。この辺りからはブリエンツ湖や村が見えるので、晴れてさえいれば、安心して歩けるだろう。あとは線路に近づき、グリーンの点線でも、オレンジの点線でも、湖を下に見ながら下って行くだけである。所要時間は、途中休憩を入れて、ゆっくり歩いても2時間〜3時間あれば十分である。

途中線路が見え隠れするが、汽車が見えたり、村や湖が見えるので安心して楽しめるミニハイキングコースである。とはいえ、2000mを超える山から下ってくるわけだから、天気の悪い日や夕方遅くに歩くことは避けていただきたい。

花の写真: 左上: カンパニュラ・バルバタ 右上: ゲンティアナ・プンクタタ

 

【 ブリエンツBahnとハイキングコース概略図 】



オレンジおよびグリーンの点線がハイキングコース

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