禍福は糾える縄の如し(1)

2回目の航空機のトラブルは、もう10年以上も前のことですが、スイスのチューリッヒへ向かう便でした。 当時は、私もまだ会社勤めをしていましたので仕事がものすごく忙しく、やっと取れた夏季休暇に、連日の睡眠不足は機内で取り返せばいいや、とばかり、忙しく成田を発ってしまいました。 ところが 「地獄で仏」ではありませんが、この時はなんと、運の良いことにエコノミーからビジネスクラスへグレードアップしてもらえたのです。 そして、飛行機が水平飛行に入るやいなや、私は、座席を思いっきり後ろに倒し、“極楽、極楽” とばかりに寝入ってしまいました。
それから3、4時間くらい経ったでしょうか、夢うつつのなか、突然、ブルッ、ブルッ、ブルルンと、おかしなエンジン音が聞こえてきました。 客室乗務員たちは気づかれないように平静を装っていたようですが、その慌しく動き回る様子から、明らかに “何か異常が起きてる” ということが感じ取れました。   →→ つづく

この写真は、航空機のトラブルとは関係ありません。