山歩きで一番怖いものは、何?

スイスへ行くときは、最近はほとんど妻と一緒ですが、昔、妻がまだ子育てに忙しく、同行できなかったころ、私はよく一人でアルプスの山を歩いていました。
私の場合、稀少な花を求めて山中を歩き回るわけですから、当然ながらメジャーな場所ではなく、一般のハイカーなどがあまり立ち入らない山歩きが多くなります。
それに同じ時期に、同じ高度の山ばかり歩いていても、観察できる高山植物は限られてしまいますので、できるだけ時期や標高、地域を変えて歩くようにしていました。
一般的に山歩きをしていて怖いのは、雷でしょう。 しかしマイナーな山に入ると、8時間、9時間歩いていても誰にも出会わないことがよくあります。 そしてそんなとき、たまに前方から近づいてくる人に出会うと、とても怖く感じます。 すれ違うとき軽く会釈をしたり、一声かけてくれる人はよいのですが、無言で、目も合わせないような人だと、通り過ぎ、足音が小さくなるまで心配になります。 こういう人が一番怖いのです。

青空に、スイスの国旗がたなびいていたら。