サン・テュルサンヌ



サン・テュルサンヌ(St.Ursanne)はベルンから電車で約一時間半ほど行ったところにあるスイスの秘境である。フランスとの境になるジュラ州の人里離れた山中にぽつんと佇む大変魅力的な村で、この地へはベルンから電車でビールに向かい、そこでバーゼル行きに乗り換え、さらにドゥレモンでS-Bahnに乗り、フランスのデール方面に向かう。


ドゥー川とサン・テュルサンヌの村
     

山の中腹にある小さなサン・テュルサンヌ駅で降り、左手の急な坂道を10分ほど下っていくと、前方に黒褐色をした屋根の中世の古い家々が見えてくる。ここの電車は単線で1時間に一本、村は幹線道路からも離れているため訪れる観光客はそれほど多くない。

しかしドゥー川が悠然と流れ静寂そのもののこの村に立つと、思わず自分がタイムトンネルを抜けて中世へと転がり込んでしまったかのような錯覚に陥る。

     
ドゥー川とサン・テュルサンヌ
サン・テュルサンヌ遠景
ドゥー川とサン・ジャン門
     

村への出入り口は三つあり、一つは村への入り口となるサン・ピエール門、もう一つは出口となるサン・ポール門、そして川にかかるサン・ジャン門である。

小さな村なので端から端へとざっと見て廻るだけなら30分もあれば十分である。
建物はほとんどが16世紀のものといわれるが、それだけにどれを見ても味わいがある。

特に写真でも見られるように川の向こう岸から見た景色は、まさに中世そのままのスイスである。

     
サン・ポール門 守護聖人:ネポミュセーヌ サン・テュルサンヌ村
     

ここでの見どころはコレジアル教会である。時間があればぜひ教会内部をゆっくりご覧願いたい。 また食事をするなら、橋の二軒隣にあるレストラン「Le Demi Lune」が美味しいのでお奨めする。

駅への往復はマイクロバスが通っているが、便数も少ないし、行きも帰りも歩いた方がゆっくりこの素晴らしい景色を満喫できるので、ぜひ歩いて行ってみよう。筆者も別れがたく、帰りに何度も何度も後ろを振り向いては、ぜひまた来よう、と心に決めてしまうほどだから・・。

そして大昔にここを訪ねて以来、季節を変えては、かれこれもう15回以上も訪れてしまっている。 春には色とりどりの花が咲き、秋には黄葉が美しく、ドゥー川の水嵩も季節により大きく相違する。

    >> 詳細情報については拙著「スイスの秘境を訪ねる旅」に記述。

     
コレジアル教会柱の絵 サン・ポール門 サン・ピエール門


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