シュタンザーホルン ハイキング

カペル橋や瀕死のライオン像、カナの婚礼の壁画が美しいマルクト広場等、見どころがたくさんあることで人気の高いルツェルンの町。
シュタンザーホルンは、そのルツェルンの町のあるフィーアヴァルトシュテッテ湖(四森州湖)の南に位置する標高1898mの山です。
山頂へは1893年に開通したレトロなケーブルカー(写真下)と、2012年に誕生した世界初の画期的なオープンデッキの二階建てロープウェイ「Cablio カブリオ」を乗り継いで上がります。
スイスの中央部に位置するこの山の展望台からは、ベルナーオーバーラントを始めとしたアルプスの山並や、フィーアヴァルトシュテッテ湖など数々の湖群が見渡せます。
特にここはグリンデルワルトの裏側に位置しますので、グリンデルワルト側から見たベルナーオーバーラント三山の並び方も逆になります。

山頂には2001年にオープンした展望レストラン&カフェ「ロンドラマ」があります。ここでは素晴らしい展望を見ながら美味しい食事や喫茶が楽しめます。
鮮やかなカラーのパラソルがたくさん開かれ、まるでどこかのビーチようですね。

また、この山の山腹は高山植物の宝庫ですから、春から秋にかけてさまざまな美しい花々がご覧になれます。
さてこの山へのアプローチ法ですが、ルツェルンからエンゲルベルクの方に向かい、途中駅のシュタンスで下車します。そこから7~8分ほど歩いてシュタンザーホルン鉄道Stanserhorn Bahnの谷駅(Talstation)へ行きます。
そしてシュタンスから、1892年から1893年にかけて敷設されたレトロなケーブルカー(フニクラ)で中間駅のケルティKältiまで上がります。
春から初夏にかけて、未だ牧草を刈り取る前はたくさんの美しい高山植物がご覧になれます。
ケルティから山頂駅までは2012年に付け替えられたロープウェイに乗り継いで、20分ほどで山頂の展望台に到着します。
(注:運行期間は例年4月中旬~11月中旬で、冬季は運行停止になりますので、ご注意ください。)
昔は山頂へと登山鉄道が敷かれており、いまも山中にその名残となる軌道跡レールが見られます。この山の周辺は昔から落雷が多く、現在の新しいロープウェイ「カブリオ」になる前のケーブルの時もよく運休していました。私も復旧するまで随分待たされたことがあります。
山頂からは途中林間を抜け、高山植物が咲き乱れる山腹を下ってシュタンスの村までのんびりと歩けるハイキングコースが延びています。
コースの難易度としては、下り始めのところが、やや急なだけでコースも短く、シニアの方でも安心して歩けます。それに晴れて視界が良ければ、ずっと下方に湖や村が見えていますので道に迷うこともありません。(地図上の赤点線参照)
また、シュタンスは小さいながらとても美しい村ですので、帰りにはぜひとも寄っていきましょう。スイスの英雄ビンケルリードの像もあります。
シュタンスの村については後日、「あの町、この町、日が暮れて」の方でも掲載する予定です。