チャぺルの写真

シュヴァルツゼーコーゲルハイキング

【はじめに】このページはパソコン、スマートフォンのどちらでも見やすいようにレスポンシブで制作しています。パソコンの場合は、文章の前についている番号順に縦にスクロールしてご覧ください。

1.ここはチロルのイムストから路線バスに乗って入って行く深い谷:エッツタールです。
この谷にはオーバーグルグルやホッホグルグルなど、スキーヤーに大変人気の高い村があります。
そして、その周辺には魅力的なハイキングコースがたくさんあることでもよく知られています。
今日は朝の天気予報で午後から降雨と雷注意報が伝えられていたこと、また夕刻には次の滞在地へ移動しなければならないことなどから、状況をみて予定変更できるコースを歩くことにしました。
ギギヨッホへ上がるロープウェイの写真 2.行先は夏でも凍てつく山上の美しい湖シュヴァルツゼーと、シュヴァルツゼーコーゲル(時間があって、お天気が崩れなかったらシュヴァルツコーゲルも)へ登るハイキングです。
アプローチはセルデンの村からギギヨッホバーン(Giggijochbahn)に乗り、まずゾンブリック(Sonnblick)まで上がります。
ゾンブリックのロープウェイ駅の写真 ゾンブリックの写真 3.そしてゾンブリック(Sonnblick)でロープウェイを降りたら、スキー用のゲレンデを緩く右に巻くように登っていきます。
ハイキング道は砂利道ですが、コースが広いので歩きやすいです。
道標に従って緩い坂を登っていきますが、この辺りは何故か高山植物がほとんど見られません。
雪融け直後なので、通常ならクロクス、ソルダネラ、フキタンポポなどが群生していてもよい場所などですが…。
スキーゲレンデの写真 道標の写真
4.さらに緩い坂を20分ほど登って行くと、やはり出てきましたソルダネラ(イワカガミダマシ)と、スイスのウンターエンガディン地方より東部に生育する可憐な紫色のプリムラ(サクラソウ:Primula glutinosa)の群生です。
この辺りは雪融け直後ですので、地面がまだ黒く、しっとりしています。
ソルダネラの写真 紫色のプリムラ 5.正規のハイキングコースは広い道を登って行くのですが、ここはスキーゲレンデですので、先行するハイカーがコース外の斜面をショートカットして登って行きます。
この近隣にはたくさんのゲレンデがありますのでスキーシーズンには大賑わいになるところです。 ハイカーの写真 6.大きく右に左にカーブを切って登っていくと、やがて前方ヨッホの上にロートコーゲルヨッホヒュッテが見えてきます。
また、右手の斜面には夏の涼しさを求めてアルプに上がって来た、たくさんのヒツジさんたちがのんびりと草を食んでいます。 草をはむヒツジの写真 草をはむヒツジの写真
7.さらに20分ほど登れば、ロートコーゲルヨッホヒュッテ(2,666m)の下に出て、大きく右に回れば展望のよいヨッホに出ます。
このヒュッテはホテルのようにおしゃれで、レストランメニューも、なかなかのものです。
ロートコーゲルヒュッテの写真 8.ヨッホに上がり向かい側を眺めれば、スケールの大きなレッテンバッハフェルナー氷河(Rettenbachferner)、ハンゲンダーフェルナー氷河(Hangenderferner)などが美しく流れます。
また目を転じて右の小高い丘の上を見れば、小さな白い礼拝堂(Kapelle "Maria Schnee")が、とても美しく佇みます。(バナー写真)
ロートコーゲルヨッホの写真
9.このチャぺルには帰りにゆっくり寄ることにして、ここからコースを右に取り、ロートコーゲル Rotkogel(2947m)と、シュヴァルツゼーコーゲルSchwarzseekogel(2931m)の間を抜けていく道をシュヴァルツゼー、シュヴァルツコーゲル Schwarzkogel(3016m)に向かって登っていきます。
シュヴァルツゼーへ登るコースの写真
10.このあたりからコースは狭い登山道に変わります。またコースは異常なほど赤茶い色をした山道です。
15分ほど登って、来た道を振り返れば下方に池のような小さな湖が美しいです。
シュヴァルツゼーへ登るコースからの写真
11.このコースは比較的アプローチが容易で景観も素晴らしいので、8月に入りホッホ・セルデンの村に避暑客が多く訪れる時期には、たくさんのハイカーが登ります。
しかし今は7月初め、まだ残雪も多く、あまり登山者に行き交いません。

シュヴァルツゼーへ登るコースの写真 12. そして大きな岩が露出している急登を20分くらい登ればコルに出て、目の前には美しいシュヴァルツゼーが現れるはずです。
この時点ではお天気はまだもちそうなので、うまくいけばシュヴァルツコーゲル(3,016m)にも登れるかな、との期待が抱かれます。
シュヴァルツゼーへ登るコースの写真 13.単調な登りが続きますが、コース両側には可憐な高山植物が咲いています。
ガレ場には白色と、白色に濃いピンクの絞りが入ったラヌンクルス・アルペストゥリスが美しく咲いています。
ラヌンクルスの写真 ラヌンクルスの写真
14.コルへ上がると、やはり期待通り眼前に美しいシュヴァルツゼーが広がっています。
湖はやっと覆っていた氷が解け始めた状態で、解けたところからは底が見えるくらいの高い透明度です。
快晴だったら空の青が映り、なお美しいことでしょう。 シュヴァルツゼーの写真 15.特にシュバヴァルツコーゲルへと登る道に続く湖岸は大きな石の上に残雪がまだ深いです。
ここからシュバヴァルツゼーコーゲルまでは標高差200m弱です。
登山道は陽の当る側にあるため、すでに雪も消え歩きやすいです。
シュヴァルツゼーの写真 16.しかし案の定、この頃から雲行きが急速に怪しくなり不気味な雷鳴が断続的に聞こえてきます。
時間的にもタイトなので、ここでシュバヴァルツコーゲルへ登るのは諦め、カメラをザックにしまい、急ぎシュバヴァルツゼーコーゲルの頂上だけを極め、ピストンで来た道を戻ります。 シュヴァルツゼーの写真 シュヴァルツゼーから下るコースの写真 17.シュヴァルツゼーコーゲルに登る前に撮った美しいチャぺルです。
チャペルの写真 18.チャぺルを横から見たところです。横から見ても美しい建物です。
小さな礼拝堂ですが、内部はなかなか素敵です。
チャペルの写真 チャペルの写真 19.下の写真は山から下りてくる途中にスマホで撮ったアルペンマーガレットの花とチャぺルです。
チャぺルにはまだ薄日が当たっていますが、背景となっている山側は既に真っ暗になり、不気味な雷鳴が近くで聞こえてきます。
チャペルの写真 20.やがて大粒の雨が落ちてきて稲光と雷鳴の間隔が狭くなってきました。
急ぎ雨合羽を着用し、途中から合流してきた子供たちと抜きつ、抜かれつしながら下山を急ぎます。
それにしてもスイスやオーストリアの人たちは街中でもそうですが、雨が降っていてもなかなか傘をさしませんね。
可愛い子供たちの写真 21.半分駆け足状態で900mほどを下ると、標高2,000m超にある賑やかなホッホ・セルデンの村が下方に見えてきます。
幸いなことに標高が下がるとともに雨の勢いも大分収まってきました。
そして、さらにセルデンの村に下れば雨も止み、薄日が射しています。セルデンではアイスを食べ、急ぎ宿泊ホテルへ戻ります。

【所要時間】道標ではゾンブリックからシュヴァルツゼーまで1時間半、シュヴァルツコーゲルまで2時間半とありますが、途中で写真を撮ったり、食事をしたり、小休止をとったりするので、片道プラス1時間くらいの余裕をみておきましょう。
ホッホ・セルデンの村の写真
HOMEへ戻る