スイスで最も古いと言われている





 絵:K.Kojima

ロマンモティエ教会を訪ねて


スイスで最も古いと言われている教会が建つロマンモティエへは、ローザンヌからフランスとの国境近くにあるVallorbeへ向かう列車に乗り、クロワ・ロマンモティエ駅で降りる。

あまり日本では知られていない村なので、ここを訪れる日本人は少ないが、現地では大変歴史ある教会として結構多くの人が車で見学に来ている。
ローザンヌから列車で30分ちょっとのところにある大変ひなびた、趣のある寒村で、この界隈に立つと思わず中世にタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。

ロマンモティエ教会は茶褐色の枯葉色の建物であり、こんな晴れた日より、曇天か、夕暮れか、はたまた秋のもの悲しい雰囲気の中で写真を撮った方が感じが出るのだろう。

左の写真の屋根の色も、本物よりちょっと明るすぎる。むしろカラーではなく、モノクロ写真の方が雰囲気をお伝えできるかもしれない。

写真を撮るなら教会の近くで右手に折れ、坂道をちょっと登ったところがシャッターポイントである。

Photographed by K.Kojima 2002-7

列車の便数が少ないのでアプローチは結構悪く、 立ち寄るには見学時間を入れて最低でも3時間ぐらい必要だが、一度はたずねてみる価値あるビューポイントだ。

駅を降りると駅前には何もないところだが、郵便バスとの連結がうまくゆけば、L'Isle行きのバスが駅前に停車しているので、そこから5分ぐらいでロマンモティエ教会前まで行くことができる。

もしバスがなくても、歩いて15分ぐらいなのでバスを待つより歩いてしまった方が早い。


車がやっとすれ違いできるような狭い道であるが、古くからの街道なので車の往来は比較的多い。

左手には農家が点在する静かな道をのんびり歩くのも結構楽しいものだ。この教会の特徴の一つは、下の写真でも見られるように、入り口部分や本堂部分などの建てられた時期が違うので、それが外からでもよく分かることだ。

そしてもう一つは、教会の天井や柱、壁にたくさんのフレスコ画が描かれており、いまでも色鮮やかに見ることができることだろう。フレスコ画は教会内の右手の天井にかかれており、よく見ないと見落としてしまう。

また、本堂の左奥にある礼拝室にも古い装飾壁画がたくさん描かれているので見逃さないように。最後の審判、予言者達、楽園と失楽などが描かれており、驚くことにこの時代に、いまでも十分通じるようなタッチの絵だ。

この教会の歴史や意義などについては、中にいる学芸員のおばさんが親切に教えてくれるので、ぜひたずねてみよう。それによると、450年ごろに最初の修道院が建てられ、それを基に7世紀に別の建物が建てられたという。


そしてその後も入り口など各部分が別々の時期に建てられ今の姿になっているという。一通りの見学が終わったら、教会の前に結構おいしいホテルレストラン「St.Romain」があるので、きのこ料理などをいただくのもよいだろう。もう一軒教会の隣にホテルレストランがあるが、今(2002-7)は改修中。

帰りのバスは教会前から出ているので、時刻表を確認したうえで食事か喫茶で時間調整すると良い。

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