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1ここはオーストリアのチロル地方にある高級リゾート地レッヒの村です。アルペンスキー発祥の地でもあるこの地域は、冬はスキー、夏は避暑地としてオーストリアのみならずヨーロッパ諸国の間でも大変人気のある村です。
今回は半日あればゆったり歩けるハイキングコースを紹介します。
2このコースはレッヒの観光案内所(写真下)でもお奨めのポピュラーなコースですから、歩いた方も多いのではないかと思います。
私も数回歩いていますが、今回はセルデンより次の宿泊先であるサン・アントンに移動し、午後に到着した、という設定からのスタートです。
夏だから日が長いので大丈夫と思い、駅のコインボックスにキャリーを預けたまま、駅前からバスに乗りレッヒまでハイキングに出掛けました。
3スタートはレッヒの中心にあるリュフィコプフ(Rufikopf)のロープウェイ乗り場の前にあるバス停から3,4,6番のバスに乗りシュプラーゼー(Spullersee)へ向かいます。
レッヒを走るバスは系統別に黄色と水色でコース分けがされていて、バスの車体の色も黄色と水色に塗り分けられています。さらに行き先の方面毎に番号がふられています。
そして沿線にあるバス停には同じ色のついた支柱が立てられていますので、慣れれは非常に分かりやすいです。(*その後の変更があるかもしれませんので、トライする前にHPや観光案内所でご確認ください。)
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3,4,6番のバスはシュプラーゼーとフォルマリンゼー行きです。シュプラーゼーへ行くときは終点までそのまま乗車していればよいのですが、フォルマリンゼー(Formarinsee)へ行く場合は乗り換えが必要です。
バスは30分ほどでシュプラーゼーの湖畔に到着します。(*上の写真は2番のバスで、行き先が違います。)
シュプラーゼーの停留所で降りると、目の前にはゴッペルシュピッツェ+ローンシュピッツェ(Goppelspitze 2,370m+Rohnspitze 2,495m)と美しい湖が広がります。
ラーヴェンスブルガーヒュッテへ行くには、湖の周りを反時計回りでDitteshütteの方向に行くマウンテンバイク兼用の道と、左手に行く道がありますが、今回はスタート時間が遅いので時間短縮のため、直ぐ左手にあるダムの堰堤の上を渡っていきます。
5渡り終わったら、道標に従ってほぼ真っ直ぐに緩い登りを7~8分登っていきます。
ここは踏み跡が複数あり、ところどころコースがはっきりしないところがありますが、主道を見極め登っていきましょう。やがて展望が開け、湖と、その後ろにフェアヴァル山群がとても美しく見えてきます。
近くに立つ道標にはヒュッテまで45分、ツークまでは2時間15分と書かれています。
通常、現地の道標のコースタイムに30分ほど加えて見積もった方が安全なのですが、このコースは易しいので、ほぼオンタイムで歩けます。
レッヒまで行っても3時間あれば歩けます。
6そして湖を右下に見ながら、次の分岐でコースをヒュッテ方向にとり、緩やかな道を30分ほど下っていくと、やがて小高い丘の上にラーヴェンスブルガーヒュッテ(1947m)の旗が見えてきます。
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ヒュッテは1912年創設、ドイツ山岳協会の大変歴史ある山小屋です。
また、ヒュッテの裏手には、岩登りのトレーニングコースもあるシュプラーシャーフベルクSpullerschafberg(2679m)が聳え、たくさんのクライマーの練習している光景が見られます。
一般登山道もありますので、時間に余裕がある方は登ってみては如何でしょう。
私は、今日はレッヒを4時25分発のバスに乗り、サン・アントンに帰る予定にしていますので、ここでは美味しいジュースを飲むだけにして先を急ぎます。
ヒュッテの壁面には「山をきれいに保ちましょう」Haltet die Berge sauber!と書いたプレートが貼られています。山では自分のゴミは必ず持ち帰りましょう。
一方、対面にはもっこりした岩山のロガルシュピッツェRoggalspitze(2,673m)と、シュティールロッホコプフStierlochkopf(2,354m)が見えます。
8また、歩いてきた方向を振り返れば、深く切れこんでいる湖の末端にシュティールロッホヨッホからの川とアルプバッハが流れ込んでいます。
後ろからは同じバスに乗って来たファミリーのハイカーが楽しそうに登ってきます。
9ヒュッテで小休止をしたら先を急ぎましょう。
前方には緑が美しいブレイザーシュタッフェルのアルプが広がり、ロガルシュピッツェ(下の写真の中央)、左に小さくシュティールロッホコプフの頂(写真の左)が見えています。
ハイキング道はアルプにある住居と家畜小屋の間に通じ、ここからはしばらく緩やかな登りとなります。
10そしてヘヤピンカーブを左に折れ10分ほど歩くと分岐の道標が出てきます。
右へ行けばマドロッホヨッホ(madlochjoch)を経由してツュルサーゼー(Zürser See)へ登る道、そしてそこから隣の谷にあるツュルス(Zürs)に下ることもできます。(このコースを行く場合は帰りのバス便などをよく調べてトライしてください。)
話を元に戻し、ここではツークの方向に直進します。
さらに10分ほど歩けば。このコースの最高地点であるシュティールロッホヨッホ(2,009m)に着きます。
11ここを過ぎると道は下り坂となり、ウサギギクやアルペンローゼが群生する広い道を歩いて行きます。
この道はマウンテンバイク用のコースにもなっていて、バイクのライダーは、すごいスピードで右にUターンするように下って、シュティールロッホ川沿いの道を走っていきます。
ハイカーはどちらの道を行ってもよいのですが、高いところを歩いた方が気分が良いので、道標に従ってハイキング道をまっすぐに進みましょう。
そしてふと、向かい側の山の斜面に目を向けると、人が立っているのが小さく見えます。
人なのかなぁ~、人だとしても、ちょっと大きすぎるのではないか、それに全然動かないしと思って、レンズを伸ばして見てみると、英国人彫刻家とブレゲンツ美術館のコラボによる人像のアートでした。ただし、10年位前のことですから今でもあるかどうかは分かりません。
またしばらく歩くと、崖下のこんなところにもアート像がありました。
12やがて道はピレネーやアルプス山脈などに多く生育するモンタナマツ(Mugo Pine Tree)の林の中に入ります。
また、ところどころの林の切れた草地には、マルタゴンリリーやカンパニュラ、テガタチドリなどが咲いています。
13さらに下って行くと、それほど大きいわけでなく、名瀑というわけでもありませんが、滝(Wasserfall)があります。
近くに道標が立っていますので、下って行く道は細いですが時間があったら滝のそばまで降りてみましょう。
夏ならひんやりとしてとても気持ちがよいです。
14そして、そのまま川沿いの道を行くとハウスと道標が出てきます。左へ行けば5分ほどでツークの村のバス停に出ます。ちょうどバスの時間に間に合えば村へ行って、そこからからレッヒに戻るとよいでしょう。また近くにはバーベキューが楽しめる場所もあります。
私はまだ時間がありますので、村には寄らず川沿いの歩きやすい道を約3キロ、40分くらいかけてレッヒまで歩きます。
15川沿いのフラットな道を行き、両側に素敵な民家やホテルなどが建ち並ぶ村はずれを抜けていくとレッヒの村の中心に出ます。
レッヒはアルプスの宝石とも呼ばれ、村の中心にレッヒ川が流れるとても美しい村です。
【所要時間】シュプラーゼーからツークまで2時間半。レッヒまで歩いて3時間です。途中で食事をとったりゆっくり休憩を入れたりする場合はプラス1時間くらいみておきましょう。
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