植物には薬効のある草花がたくさんあります。
比較的高山に生育し、日当たりの良い岩場や礫地に多く咲くアキレア・モスカタという高山植物が胃腸薬としての効能があるということは、既に当サイトの他のページでご紹介しました。
葉にはジャコウに似た芳香性があり、それを液体化してお茶のようにして飲むと、胃腸の調子が悪いときなどは、症状がやわらぎます。
実際に「Iva Wine」という呼び名で、瓶詰めにして売られています。
下の写真はよく知られたアッペンツェルにある薬草を売るお店です。この地の特徴である切妻式の屋根で、小窓をたくさん持った大変おしゃれな建物ですが、前面の壁一面に薬草の絵が描かれています。
スイスの野山を歩いているとよく見かける花にアルニカ・モンタナArnica montana(写真)があります。
ウサギギクに似た黄色い花ですが、この花にはいろいろな薬効があります。
この花は何百年も前から、痛み、炎症、出血、打撲など、あらゆるケガに適応するとされ、多くの人たちに愛用されてきました。
また自然界でも怪我した山羊やヒツジたちが誰に教えられることもなく、多くの草花の中からこのアルニカを見つけて食べています。
拙著「スイスの秘境を訪ねる旅」の中でも触れましたリザ・テツナーの名作「黒い兄弟」(アニメではロミオの青い空)の中にも、このアルニカの花に関する記述があります。
主人公ジョルジョのお母さんが畑で蛇に睨まれて失神してしまった時、ジョルジョはすぐにアルニカの葉を摘んできて母にかがせました。
お母さんはすぐ正気に戻りましたが、このようにトラウマによる精神的なショックにも効果を発揮すると言われています。
戻る→