ここはエルネンの村、その山腹に佇むサン・ジョルジュ教会はスイスでも大変古い歴史を持つことで有名ですので、ほとんどの方がご存知ではないかと思います。
広く開けた緩やかな丘の上に建つこの教会が、遠くゴムスの谷を走る電車の中から見えてくると
“あぁ~、またスイスに来ているんだなぁ~”と、実感する瞬間です。
この村については既に当サイトの「あの町、この町、日が暮れて」のフィーシュの村の欄でご紹介済みです。
夏にはこの村で規模の大きな音楽祭が開催され、世界各地からたくさんの演奏家が集まりますが、それ以外のときは訪れる人も少なく、のんびりとスイスの歴史を探索するにはもってこいの地です。
村は小さいですが、歴史好きな人にとっては本当に魅力満載です。中でも残念ながら1980年に盗まれてしまって、今はそのコピーしか見ることができませんが、シンプルなピエタのオリジナル像は必見です。
自分の息子の頭の上に載せたリンゴを射ったウイルヘルム・テルのスイス最古のペインティング「矢を射るテル」を始めとして、近隣の建物の壁などには美しい壁画がたくさん見られます。
また、ここは冬の景色が大変素晴らしいことで知られていますが、春はサクラの花が丘いっぱいに咲き誇り、秋には山並みが紅(黄)葉で大変美しく染まります。
拙著「スイスの秘境を訪ねる旅」の執筆で、ボスコ/グリンから峠越えをした長い山旅のことが思い出されます。戻る→