昔は、お天気のよい日に、春の野に出れば土筆ん坊がたくさん見られました。
しかし最近の都会では、身近な生育地である空き地などが少なくなり、かつ、道路もほとんど舗装されてしまいましたので、なかなか見つけるのが難しくなってしまいました。
こどもの頃、ツクシンボウの茎をいっぱい摘んできては、お醤油で煮て食べたことが懐かしく思い出されます。
スイスなどでも、日本と同じようなスギナ (エクイセトゥム・アルウェンセ Equisetum arvense) が見られるのですが、もう少し高い亜高山に登りますと、ちょっと変わったツクシ(スギナ)が見られます。
このツクシの名前は、エクイセトゥム・シルワティクム Equisetum sylvaticum といい、早春の4
月から5月ごろに胞子茎を出します。
胞子茎の部分は普通の土筆と同じように見えますが、草丈は1mを超えるものもあります。
スイスでは、国土のほぼ全域にわたり、標高800~1800mくらいの山の森や、湿った草地などに生育します。
学名(属名)の Equi-setum は 「馬の剛毛」の意味ですが、英名ではもっと分かりやすい名前がつけられ、 Wood Horsetail 「馬のしっぽ」 と呼ばれます。
拡大写真を見比べて馬のしっぽのような形状を確認してみてください。なるほど、と納得できるのでは、と思います。
また種小名の sylvaticum (sylvaticus) は、ラテン語で、“森林を好む” という意味です。
植物の名前は、ラテン語によってつけられていますが、それぞれの名前の意味を知れば、名前を覚えるのも楽しくなるでしょう。
戻る→