今回は、割とポピュラーな花である「ツリフネソウ」についての話です。
ツリフネソウは日本では、北海道から九州まで広範囲に分布し、主として谷や沢沿いの半日陰になる湿った場所に多く生育します。
和名の「ツリフネソウ」は、花の形状や、その付き方が“帆掛け舟を吊り下げた”ように見えることから名付けられたといわれます。
また、学名(属名)がImpatiensインパチェンスと呼ばれていることを知り、“あぁ、やっぱりね”、と思われる方も多いのではないかと思いますが、同属の園芸品種にはホウセンカがあり、よく似ています。
ホウセンカは、昔はどこの家の庭先にも多く植えられ、夏休みには子供たちが“パチン、パチン”と音を鳴らして遊んだものでした。
ツリフネソウは、通常、高山植物とは呼びませんが、スイスやオーストリアにもあります。
ただヨーロッパには、日本のツリフネソウとはちょっと違ったものもあり、草丈が大きなものでは人間の背丈より大きく、2mくらいにもなります。
日本のツリフネソウは、沢沿いに、比較的ひっそりと、奥ゆかしく咲いているイメージが強いのですが、アルプスに咲くこの花は、草丈も大きく、堂々としており、まるで“小木”かのように見えます。
それに日本では、花の色が赤より黄色いものの方が目につくようです。
また花数も写真のように多く、ひとつの茎頂にたくさん咲かせます。このツリフネソウの学名は、「Impatiens glandulifera」と呼ばれます。
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