秋にスイスの山里をハイキングしていると、メギの実を摘んでいる女性たちによく出会います。
メギは学名でベルべリス・ツゥンベルギイ(Berberis thunbergii)と呼ばれますが、和名では「目木」です。
木の背丈は1.5m~2mくらいあり、落葉の小低木で野山に普通に自生します。
春には黄色い花を下向きにつけ、秋には赤い小さな実をたくさんつけます。
また枝や葉の付け根に鋭いトゲを持つことから、小鳥も止まれないという意味で「コトリトマラズ」と呼ばれたり、丈夫な鎧をも通す鋭いトゲということで、「ヨロイドオシ」と呼ばれることもあります。
実を摘んでいる女性たちに話しを聞いてみたのですが、彼女たちは実をつぶしてジャムを造るのだそうです。
この木は煎じるといろいろな薬効があり、古くからさまざまな症状の緩和に利用されています。
一つは充血したような目の病気によく利用され、
この木の枝などを刻んで日干しにし、乾燥させて、その煎じ液で洗眼すると抗菌作用があるということから結膜炎などにもよく効くと言われています。
目の病気に良いということから“この木の名前は、目木”という名がついたのです。
もうひとつは、健胃、整腸、下痢止めなどの薬効があり、胃腸の調子が悪いときに、この煎じた液を服用すれば良い効果があるといわれます。
春、夏、秋にスイスの山里をのんびりハイキングしていると、いろいろな人に出会い、ちょっとした会話を通じて地元の方々の生の生活感が伝わってきます。
戻る→