モーネンフルーの写真

モーネンフルーハイキング

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1今回ご紹介するコースは、ヨーロッパでも高級リゾート地として大変人気の高いフォアアールベルク州にあるレッヒ村からスタートします。
レッヒには素敵なハイキングコースがたくさんありますので、これまでもこのサイトを通じて何度かご紹介しています。
レッヒ村の写真
2先ずはじめにレッヒの村からオーバーレッヒ(1669m)までロープウェイで上がります。
そしてそこから70~80m離れたところにあるチェアリフトでクリーガーアルペ(Kriegeralpe)へ上がります。
(なお、スキーシーズンには別のアプローチ法として、いろいろなお寿司も食べられる人気のレストラン・バー「Schlegelkopf Restaurant/Bar」へ直行できるスキーリフトもあります。) オーバーレッヒのロープウェイの写真
3終点のクリーガーアルペでリフトを降り5~6分歩くと、右手にレストラン「クリーガーアルペ」があります。このレストランはオーバーレッヒにある有名なブルクホテルに属しており、チーズや乳製品がとても美味しいです。
冬はスキー客、夏はハイカーやマウンテンバイク客でにぎわいます。
この辺りはマウンテンバイク用の人気のコースでもあるのです。 レストラン「クリーガーアルペ」の写真
4 クリーガーアルペから歩き始めると、左手にKriegerhorn(クリーガーホルン 2,173m)のピークが見えます。
モーネンフルー、ブッゼンゼーへ行く前に、先にクリーガーホルンに寄っていくとよいでしょう。
すぐ近くにある小さな池:シュパイヒャーゼー(Speichersee)の横を抜けて行きます。
シュパイヒャーゼー(Speichersee)の写真
5キンポウゲやワタスゲが一面に咲く広い歩きやすい道を登って行きます。
今は7月中旬、山の雪が溶け高山植物がちょうど美しい頃です。
キンポウゲやワタスゲの写真
615分ほど登るとクリーガーサッテル(1,990m)の道標があります。ここからクリーガーホルンは40分程です。
左手に小さな草原が広がる場所に出ますので、そこから左に折れ、草原を横切り、クリーガーホルンの登山道に入ります。この道はスキーのクロスカントリー用で、正規の登山道は先ほどの広い道の方です。
クリーガーサッテルの道標の写真
7クリーガーホルンはそれほど高い山ではありませので楽に登れます。
また、その周辺には美しい高山植物がたくさん咲いています。
クリーガーホルンの写真
8今回歩くコースは全体を通じ雪が溶けて間もないので、花もまだ傷んでなく大変美しいです。
珍しい花ではありませんが、このコース上に咲いている花を以下にいくつか掲載します。
プリムラ・エラティオルの写真
プリムラ・アウリクラの写真
シレネ・ディオイカの写真
グロブラリア。ヌディカウリスの写真
ヴィオラ・ビフロラの写真
9そして、ややきつい上り坂を30分くらい登れば、クリーガーホルンバーンの建物の前に出ます。
クリーガーホルンの頂上は、ここから左へ10分くらい行ったところです。
さらにそこから反対側に下り、正規の登山道に出たあと、左手に折れ、バルマルプ(Balmalp)のスキーリフト駅に行かれます。
クリーガーホルンバーンの写真

ここからはツークへ下るハイキングコースもあります。バルマルプ駅の展望台からは、反対側にシュプラーゼーからツーク経由レッヒまで歩く谷や、川沿いの道がよく望めます。
また、やや左手の遠方には、レッヒの中心からリュイコプフRufikopf(2362m)へ上がるロープウェイと、Stuttgarterhutteへと歩くハイキングコースが望めます。

10展望台で小休止をしたら、そこから先ほど通って来た小さな池:シュパイヒャーゼーのところまで戻り、今度はブッゼンゼーを目指して広い砂利道を登っていきます。
写真は歩いてきた道を振り返って見ています。 ハイキングコースの写真
11Kreigersattelを抜け、Steinmahderまでは歩きやすい広い道が続きます。
やがて左手に、モーネンフルー 、ブッゼンゼーへ時計回りで行くコースと、反時計回りで行くスルゼンコプフ(2,140m)の道標が出てきます。
ブッゼンゼーへは周回コースがあり、劇的な景観が望める反時計回りで(直進)のコースで行くとよいでしょう。
スルゼンコプフの道標の写真
12 Bergeralpeを過ぎ、やや急な坂を登りきると、視界がぱっと開けたMohnensattelに出ます。
そしてお天気が良ければマッターホルンを小さくしたような美しい山容のモーネンフルーの岩山が突然現れ、その美しさに感動することでしょう。
モーネンフルーの写真
また、雪解け直後の足元にはチョウノスケソウ、エンチアン、モスキャンピオン、ヴィオラ、プリムラなどが群生します。

13右に行けばGaisbuhelalpe方向へ、やや左手に進めばモーネンフルーのコルに出ます。
ここでは道標に従って残雪がある右下がりの斜面をトラバースし、コルに上がります。
コルに立てばモーネンフルーが眼前に迫りきて、この山に登りたい衝動にかられます。
(注)このページでは、お天気が良い日に訪ねたときの写真と、生憎、途中から雨が降ってきたときの両方の写真を使って制作しています。
モーネンフルーの写真
モーネンフルーの写真
14また、コルから反対側を見下ろすと、カールの下には神秘的でとても美しいブッゼンゼーが静かにたたずんでいます。
また、ブッゼンゼーの背後にはブラウナールシュピッツェ(Braunarlspitze 2,649m)がとても美しいです。
モーネンフルーへの登山道は青色でペイントされた熟練者向きのコースで、途中までは容易に登れますが、頂上付近に近づくと崩れやすい岩場になります。
そのうえ、日によってはここは大変強い風が吹きますので、初心者が軽率に登ることがないように注意してください。
ブッゼンゼーの写真 15頂上まで登った後、引き返し、道標に沿ってブッゼンゼーの周りをほぼ一周します。
そして、高山植物が群生するZuger Hochlicht(2,377m)の山腹を巻いて行けば、やがて往きに通った分岐へ出ます。
美しいブッゼンゼーを左に見て歩くこのコースは、大きなアップダウンもなく、色とりどりの高山植物が群生し、大変楽しい道です。
途中、雨水が石灰岩を溶解してできた地層(下記に詳述)があったり、右手の谷側が大きく崩れたところがありますが、それほど危険なコースではありません。
ブッゼンゼーの写真
16 モーネンフルー、ブッゼンゼーを反時計回りで周回してきて、スタート地点のクリーガーアルペの手前に戻ってきた地点です。
ここまで来ればクリーガーアルペのリフト乗り場はもう10分ほどです。
ハイキングコースの写真
ハイキングコースの写真
17 この地区には、数か所貴重な自然保護区(NATURSCHUTZGEBIET)に指定されている場所があります。
Gipslöcherと呼ばれ、雨水が石灰岩を溶解してすり鉢状になった多数の窪地を持つ地形です。
起源が2億2000万年前に遡るといわれる自然に形成されたドリーネです。
雨水が石灰岩を溶解してすり鉢状になったGipslöcherの写真
上の写真はその中の一つである、小さな池:シュパイヒャーゼーの近くにあるドリーネです。
また、下の写真は道標に設置された自然保護区指定地域の説明板です。
この地区には素晴らしいスキーゲレンデが多くあり、スキー用のリフトの建設に当たっては自然保護か、開発か、で大きな論議を呼びました。
自然保護区(NATURSCHUTZGEBIET)の写真
18日本でも沖縄の宮古島にある下地島の「通り池」に同様な穴(カルスト地形)が見られます。
「通り池」の場合はすぐ側が海岸ですので、できた穴の中に海水が流れ込んで、このような地形になり、観光名所にもなっています。
宮古島にある下地島の「通り池」の写真

【所要時間】クリーガーホルン周回に約2時間~モーネンフルー、ブッゼンゼー周回に約3時間。
途中で昼食をとったり、小休止したり、写真を撮ったりしますので往復で5~6時間くらいです。

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