=ウンターエンガディンの美しいスグラフィートを訪ねて=

サンモリッツから電車に乗って僅か1時間足らずで、ウンターエンガディン地方の素晴らしい芸術:スグラフィートに出会うことができる。スグラフィートとは、家々の漆喰の壁をひっかくようにして模様や絵を描く装飾芸術である。今日は山の中のハイキングを一休みして、静かなのんびりした村を歩いてみよう。私はツェルネッツの村にあるホテルに泊まり、ここを基点に古い村を訪ね歩くことにした。



 ・ツェルネッツの村の見どころ

ツェルネッツはサンタ・マリアを経由してイタリアへと続く道、シュクオールを経由してオーストリアのランデックへと続く道の分岐にある。この村はヴィルデンベルク家に統治され、その屋敷は今は役場として使われている。ツェルネッツの駅を降りて少し直進すると、昔ながらの街道にぶつかる。ここを左折し、狭い中世の石塀の前の通りを行くと、やがて左側にホテルレストラン「クルシュ・アルバ」と「べッティーニ」が見えるので、さらに進めば10分足らずで、町の中心地に着く。

ここにはそれほど多くの見所はないが、山裾に建てられた教会、家々の壁に描かれた美しいスグラフィート、そして今は役場となっているヴィルデンベルク家などは見逃せないチェックポイントだ。


ツェルネッツの村

ツェルネッツの村

ツェルネッツの村

ヴィルデンベルク家

ヴィルデンベルク家の庭

ヴィルデンベルク家

ヴィルデンベルク家

ヴィルデンベルク家

丘の中腹の教会

教会

・グアルダの村

ツェルネッツからシュクオール行きの電車に乗り、二つ先の駅グアルダで降りる。この沿線の駅はどこも大変かわいらしくて、メルヘンチック。駅を降りたら、急な坂道を右に向かい登って行く。駅から小型のPTTバスが出ているが本数も少ないので待っているより歩いてしまった方が早い。道は少々きついが歩いていった方が途中いろいろな花にも出会えて楽しい。それになによりも、登り切ったところで目に飛び込んでくる村の景観がとても感動的だ。


グアルダの村

アルデッツの村

美しいスグラフィート

美しいスグラフィート

グアルダの “のみの市”

ジャコメティーのフレスコ画

ホテル・マイサーの道

有名なホテル・マイサー

・アルデッツの村

グアルダの村を楽しんだら、電車でなく、ぜひハイキングコースを歩いてアルデッツの村へ行ってみよう。そしてどうせなら、幅が広く歩きやすいマウンテンバイク用の道ではなく、さらにその上にある道を歩きたい。山の横腹を巻くように歩く道だが、のんびりしていて大変楽しい。


グアルダから歩いて来ると、右下方にアルデッツの村の教会と、廃虚のような古ぼけたシュタインスベルクの塔が見えてくる。緑が美しい牧草地を道なりに下ると、有名なアダムとイブのフレスコ画が描かれた家にぶつかるが、ここから今度はアルデッツ村の夢の世界が始まる・・・。 こんなところに、こんな美しい村があったのか、と きっと感動することだろう。 本当に、お伽の国に行ったみたいな感じである。

そして、右に左に素晴らしいスグラフィートの芸術を鑑賞しながら坂を下れば、アルデッツの駅である。


アルデッツの村

アルデッツの村の塔

アルデッツの駅

・フタンの村

アルデッツ村から歩いても行くことができるが、ちょっと時間がかかるので、シュクオールまで電車で移動する。そしてそこからバスで10分ぐらいで行けるので、ぜひ立ち寄ってみて欲しい村である。ここからの眺望もまた素晴らしいから。

そしてフタン・ポストと銀行前の緩い坂を下り、ちょっと登ると右手に、蜂蜜とナッツで作ったナッツトルテの大変美味しいレストラン:カンティエーニがあるので、ここのテラスで一休みし、ぜひコクのあるトルテを味わってみて欲しい。トルテだけでなく、親切で可愛らしい店員(お嬢さん?)がとても印象的だ。もういないかな?


フタンの村

フタンの村

フタンの村から

・シュクオールの村

シュクオールの駅を降りたら、右下の方へ下って行こう。ここは日本でいう温泉地で立派なスパ・リゾートがある。また駅の右手から出ているリフトに乗れば村全体を見渡せる。また、ちょっと離れているがタラスプ城も、ここの見所の一つだ。

アルデッツの村のフレスコ画とスグラフィート

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