チューリッヒとシヨン城を訪ねて

シヨン城の絵

シヨン城 Le Château de Chillon  絵: Misakott

【はじめに】このページはパソコン、スマートフォンのどちらでも見やすいようにレスポンシブで制作しています。パソコンの場合は、文章の前についている番号順に縦にスクロールしてご覧ください。

17月の終わりの暑い日に、わたしはスケッチブックと鉛筆を片手に、ひとりスイスへ向かいました。
時間にしばられた旅でなく、美しい景色に出会ったら、その度に列車を降りて、気ままにスイスの町の写真を撮ったり、スケッチをして歩く、そんなのんびりした旅がしてみたかったからです。
そんなわけでスイストラベルパス(旧スイスパス)を片手にチューリッヒからの旅が始まりました。
フラウミュンスターの写真

フラウミュンスター(聖母教会)

個人旅行で面倒なのは、大きなスーツケースを自分で持ち運ばなければならないことでしょう。
それで私は、航空会社スイスのフライトラゲージ(旧フライ・アンド・レイルバゲージ)(*)という便利なシステムを活用し、重いスーツケースは成田空港から次の宿泊地の最寄り駅ヘ送りました。
(現在はそれさえ面倒なので、専ら機内持ち込み可能サイズ・重量のキャリーだけで行きます。)
フラウミュンスターの写真 だからチューリッヒ・クローテン空港からは、身体ひとつでホテルヘ行けばよいのです。
私はいつもこのシステムを利用していますが、その確実性は何十回もやっている中で、荷物が遅れて届いていないというトラブルが一度だけあった程度です。
ただ、万が一に備えて最低限の身の回り品だけは携行した方がより安心です。

2 フライトラゲージ・システム-----航空会社スイスなど多くの航空会社では、日本の空港で預けたスーツケースをスイスでの最初の滞在地となる駅まで託送してくれるサービスを行っています。
だからチューリッヒ空港では荷物をピックアップする必要がありません。
また、逆に帰国するときは、スイスでの最後の滞在地の駅(35個所ほどの主要駅)で搭乗手続きとスーツケースを預ければ、チューリッヒやジュネーヴ空港で何もしなくても日本の空港で荷物を受け取ることが出来ます。
これをフライトラゲージ・システムと呼びます。(こちらはスイス・インターナショナル・エアラインズとルフトハンザ・ドイツ航空、オーストリア航空を利用する場合だけです)
フラウミュンスターの写真

フラウミュンスター

3空港から電車でチューリッヒの市街地へ行ったら、まず見逃せないのがフラウミュンスター(聖母教会)でしょう。
中央駅前から両側に高級ブランド品を扱うブティックや銀行、カフェなどが建ち並ぶバンホフ・シュトラッセ(駅前通り)をまっすぐに進んでいきます。
リマト川の写真

リマト川

4 通りからはあまりよく見えませんが、まず左手に聖ペーター教会があり、さらに直進してポスト通りを左折すれば、リマト川のほとりに美しい塔を持った聖母教会がひときわ高く建っています。

5 建物外観の美しい姿を堪能したら中へ入ってみましょう。
シャガールが描いた素晴らしいステンドグラスに思わず感動することでしょう。赤、青、黄など基調色を変えて描いた絵は、見ているだけで優しさと “ものがたり” を伝えてくれます。
これは大昔に撮った写真です。その後、写真撮影は禁止になっています。

シャガールの絵のステンドグラス シャガールの絵のステンドグラス


また、中を見終わったら中庭に出るのも忘れないようにしてください。建物の壁面にはたくさんの壁画が彫られており、その‟物語”と美しさにしばし茫然となります。
聖母教会の壁画
聖母教会の壁画

聖母教会の壁画

6聖母教会を見終えたら、ミュンスター橋を渡って反対側のグロスミュンスター(大寺院)に行ってみましょう。
スイス最大のロマネスク様式の寺院で、こちらにはジャコメッティ作のステンドグラスがあります。
グロスミュンスターの写真

グロスミュンスター

7そして、再び外に出て対岸を見渡せば、ヨーロッパで最大の時計盤を持ったザンクト・ペーター教会が悠然とそびえています。
駅に戻るときにでも近寄って、その雄大さをぜひ目の当たりにしてみて欲しいです。

8 ひととおり、チューリッヒの町を見学したら、ジャズ・フェスティバルとシヨン城で有名なモントルーへ向かいます。
シヨン城は、旅行会社のパンフレットや絵葉書にもよく出てくるお城なので、知らない人はまずいないでしょう。
イギリスの詩人バイロンが城の柱にイタズラ書きをしたということでも有名です。
この城の歴史的なことは、ガイドブックや書籍に、いやというほど掲載されていますので、ここでは割愛します。
城の中には牢獄などたくさんの部屋がありますので、ぜひゆっくり観光して欲しいです。また、中にある売店では、この城発売のワインなども売られています。
シヨン城の写真

シヨン城

9 ライゼゲペック(ラゲージ)-----またスイスには、ライゼゲペックと呼ばれる鉄道や路線バスを使った有料の荷物託送サービ ス(通称チッキ)もあります。
駅から駅へ荷物を先に送っておいて、途中途中で電車を降りて気軽に観光したり、ハイキングしたりして目的地の駅で荷物をピックアップすることも出来ます。
当日19 時までに受付すると、翌々日のAM9時以降受け取りできます。
さらに割増料金を支払えば当日配送のエクスプレス・ラゲージ(旧名称:ファストバゲージ)も利用できます。
ただし、人間と荷物が同じ電車で行くわけではありませんので要注意です。
早めに出しておかないと、人間だけ先に着いて荷物はまだ届いていない、ということも起きます。
それから駅で荷物を預けるときは、タグに書く行き先をよく確認しておくことが大事です。
(注)このシステムはよく改訂されますので、利用する場合は事前にご確認ください。 HOMEへ戻る