ゲンミ峠～カンデルシュテーク
1 シャーロックホームズの冒険にも登場するゲンミ峠(Gemmipass 2,322m)へはロイク(Leuk)の駅前からロイカーバッド行きのバスに乗り、急な山道をグングン上って30～40分ほどで行くことが出来ます。
ロイカーバッド(Leukerbad)はご承知の通り素晴らしい温泉施設がある場所であり、保養地としても大変人気が高いです。そのためバスには結構お年寄りが乗っています。
2 バスは終点の大きなスパハウスの前で停まりますので、降りたら川を渡り緩い坂道を左にターンしながら登っていきます。
この施設の入り口近くに観光案内所がありますので、地図やパンフレットを貰っていくと後で役に立つでしょう。
また、温泉施設にはサウナやフィットネス設備が整っていますので時間があったらぜひのんびりしていくとよいでしょう。
窓辺に赤や青、白いお花がこぼれんばかりに飾られた家々が立ち並ぶ素敵な道を抜けていきます。途中の道路沿いには写真下のような可愛らしい彫刻が設置された水飲み場もあります。
3 15分ぐらい道なりに坂を登っていけばロープウェーの発着駅に着きます。目の前には衝立のようになった岩山がそびえ、その頂上にはロープウェーが米粒のように小さく見えます。
90度近くの断崖をキャビンは一気に登っていきます。
4 ロープウェーから下を見ればこの衝立岩に細い階段状の登山道がつけられいます。昔の人たちは、ここから皆歩いて峠越えをしたのだと思うと感心してしまいます。
5 10分足らずで頂上駅に着きますが、ロープウェーの終点で降りればもう標高は2,350ｍ、およそ900ｍ強を一気に上ったことになります。
右手にはプラッテンヘルナ ー(Plattenhörner)山、眼下にはダウベンゼー(Daubensee)が美しい姿を見せています。
衝立のような岩の上に立ち、今上ってきた方を覗けば、目もくらみそうな崖下にロイカーバッドの村が美しいです。その高さのものすごさを再確認したら、反対側に下っていきましょう。
6 湖には右回り、左周りのハイキングコースがつけられています。右手下方には美しいダウベンゼーが広がっています。
ここからハイキングがスタートしますが、湖の右側の道に沿って歩いていきましょう。（左手の道を行けば、峠を越えてアデルボーデンにつづいています。次回案内）
7 湖の方に向かって緩い下り坂を10分ほど下っていきます。この辺りには初夏でも残雪が結構あり、吹く風はひんやりとして晴れた日はとても美しく気持ちよいです。
8 坂を下るにつれて美しい湖が目の前に広がってきます。コース幅は広く、よく整備されていますのでとても歩きやすいです。そして湖畔に出ると、両側に大きな岩がゴロゴロしている間に設けられた砕石を敷いた道を行きます。
9湖畔の道端にはトリカブトの仲間などの高山植物が咲いています。ここは筆者も大好きなコースで何度か歩いていますが、あまりの花の多さに、いつも道草をくってしまいます。
湖の突端まで行くとベンチが置いてありハイカーが小休止しています。例年だとこの辺りにはまだ雪が結構残っています。
10 湖の突端に立つ道標に沿って歩いていきますが、ここからはずっと下り坂になります。ただ道幅は広くて大変歩きやすいので安心です。
やがて前方向かい側のコース上にシュワーレンバッハ(Schwarenbach)の山小屋レストランが小さく見えてきます。
しかしコースはグルっと回り込んでいきますので、ヒュッテが見えてからでも結構時間がかかります。
11 山小屋レストランは石造りの立派なヒュッテです。ここには逆コースであるカンデルシュテーク側から登ってきたハイカーもたくさんいて食事をとったり、小休止をしています。
私たちはランチにしてはまだ時間が早いので、ここではアイスクリームを食べていくことにします。
ヒュッテの壁に道標が埋め込まれており、スタートしたゲンミ峠まで1時間10分、これから行くスンビュール(Sunbüel) のロープウェイ乗り場まで1時間15分とあります。
12 さらに進めば、やがて広く開けた場所にでて、草地が延々と続きます。この辺りにはキンポウゲやハンニチバナ、特に茎がほとんどないアザミのような花のキク科のキルシウム・アカウレなどが大変美しく咲いています。
ハイキングコースは幅広く、しばらくフラットですので、のんびりとハイキングが楽しめます。
13 この開けた気持ちのよい道を30分ほど行けば、左手にスンビュール (Sunbüel) の牧舎が見えてきます。
周辺には黄色いラヌンクルスが一面に咲き、たくさんの牛さんが草を食んでいます。
14 さらに進み小高い丘を上れば、その先にエッゲシュヴァント(Eggeschwand)に下るロープウェーの駅に着きます。
このロープウェーもものすごい傾斜です。
まるでエレベーターのように真下に降り、一気に750mぐらい下ってしまいます。
15 ロープウェイを降りたところの先にバス停がありますので、あとはカンデルシュテーク行きのバスに乗れば駅まで10～15分くらいです。
途中に素敵なホテルやレストラン、お土産やさんもありますので、元気なら歩いていくのも結構楽しいです。
駅へ行く途中に美しい教会があります。
16 写真は瀟洒な駅建物で、この辺りから見る山並みも大変美しいです。
カンデルシュテーク(Kandersteg)は、昔はベルン方向からツェルマットへ向かう際、近くのエッシネンゼーのミニハイキングコースを歩き、ブラウゼーでマス料理のランチをとるのがツアーの定番でしたが、高速鉄道(トンネル)の建設でスルーされることが多くなりました。
この辺りにはお土産やさんがあるので、電車の待ち時間があったらぜひ寄ってみましょう。
17 コースタイム（ゆっくり歩いて）
❶ ゲンミ峠 ～ シュワーレンバッハのレストラン １時間 （休憩含む）
❷ ～スンビュール２時間
（注）カンデルシュテーク側からゲンミ峠へ向かう逆コースは、ずっと登りになりますので、この記事通りに歩く方が楽です。
サクシフラガ・アイゾイデス
グロブラリア・コルディフォリア
アコニツム・ナペルス
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