マローヤの村の写真

マローヤの村

1.マロ―ヤの村はサンモリッツからポストバスで、シルス湖を抜けマローヤ峠の方向に30分くらい行ったところにあります。
ここはローマ時代に重要な街道であったとともに、スイスの山岳画家:セガンティー二に大変ゆかりのある村でもあります。
彼は、前回このページでご紹介したサヴォーニンの村を離れ、1894年の夏にこの地へ移動しました。
マロ―ヤのポストバスの停留所の写真 2.マロ―ヤの村の中心へは郵便局のあるマローヤポスタのバス停(写真上)で下車します。
訪ねた時は晩秋の薄暮、前日まで降雪があり山には雪が積もって、いよいよ寒い冬を迎えるという、うら寂しい中での散策です。
ホテル:シュヴァイツァーハウスの写真 3.バス停を降り、マローヤ峠の方向に歩いて行くと、凝った木彫りの装飾が施された大きな木造の老舗ホテルレストラン「シュヴァイツァーハウス」(写真上と下)が見えてきます。
ホテル:シュヴァイツァーハウスの写真
4.さらに進むと、街道沿いにセガンティー二ゆかりの住居やアトリエ、城跡、お墓などを訪ね歩く “センティエーロ” 「セガンティー二の小道」があります。
それぞれの記念となる建造物などにはドイツ語、イタリア語、英語などで書かれた説明板が立っています。
セガンティー二絵画の説明板
5.下の写真はセガンティー二が晩年に絵筆をとったゆかりのアトリエで、天井から光を取り入れている円柱のような形をしています。
またすぐ隣には彼が住んでいた住居も残されています。
彼が描いた絵の画題「信仰の慰め」や、有名な三連祭壇画の「死」などにはこのマローヤの風景が描かれています。 セガンティー二ゆかりのアトリエの写真 6.ベルギーの大金持ち(伯爵)がカジノ(今流行のIR)を造るつもりであったというこの建造物(ベルヴェデーレキャッスル)は、工事途中で放置され今は廃墟のようになっています。
晩秋の薄暮で雪の降った翌日、さすがに訪れる人も少なく廃墟の中を歩いているとちょっと怖いです。 ベルヴェデーレ城の写真

ベルヴェデーレ城の写真 ベルヴェデーレ城の写真 7.この近辺を歩いていると地面に氷河が造った円形の穴がたくさん開いています。
氷河遺跡のグレッチャー・ミュールと呼ばれるものですが、落ちると危険なので柵で囲まれています。(写真:女性のうしろにある柵の中)
氷河遺跡グレッチャー・ミュールの写真 また、近くには赤いとんがり屋根のカトリック教会がひっそりと佇んでいます。 セカトリック教会の写真
8.下の写真は共同墓地の中にあるセガンティー二夫妻と子供たちのお墓です。
夫妻の墓碑銘には「ARTE ED AMORE VINCONO IL TEMPO=芸術と愛は永遠」と書かれています。
セガンティー二のお墓の写真 セガンティー二のお墓の写真 9.彼は完成をみなかったこのベルヴェデーレキャッスルに対し大きなプランを持っており、写真のようなスケッチを描いています。
そのことについて説明板には、“彼は死ぬちょっと前に、この城のようなスケッチを描き、どうやらそこに住むつもりのようであった”と書かれています。
ベルヴェデーレ城のスケッチ

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