1 今回は「スイスのあの町、この町」ではなく、スイスとオーストリアに隣接するリヒテンシュタイン公(侯)国のお話です。
世界で6番目に小さな国(日本の小豆島と同じくらいの広さ)と言われるリヒテンシュタイン公国(Liechtenstein)ですが、アプローチ法としてはいくつかあります。
2 ただし、リヒテンシュタインには空港や鉄道がありませんので、アプローチとしての交通機関は最寄り駅まで電車で行き、あとはバスで行くことになります。
スイス旅行の行程内で訪ねるなら、チューリッヒHB(中央駅)からICに乗り、先ずサルガンス(Sargans)の駅へ行くのが便利です。チューリッヒHBからサルガンスまでは僅か1時間ほどで行かれます。
3 そしてそこから30分ほどPTTバスに乗り、リヒテンシュタインの首都ファドゥーツ(Vaduz)へ行きます。バスはファドゥーツ・ポスト(Vaduz, Post)か、ファドゥーツ大聖堂に近いキルヒ通り( Vaduz,Kirchstrasse)のバス停で下車すると観光しやすいです。
もう一つのアプローチ法は、隣国であるオーストリアのフェルトキルヒ(Feldkirch)からの入国となります。
4 リヒテンシュタインは小さな国なので見どころはそれほど多くはありませんが、古城や美術館、博物館などがお奨めです。
ただ、スイスとの国境の入出国にはパスポートコントロールが不要なうえ、家並みや景色などもスイスによく似ているため、入国しても違う国に居るという感じがしません。
5 ここでお奨めする観光場所としては、後述するファドゥーツ城やリヒテンシュタイン美術館(Kunstmuseum)、リヒテンシュタイン国立博物館(Landesmuseum Liechtenstein)などがあります。
また、リヒテンシュタインは印刷技術が非常に卓越している国ですので「世界で最も美しい切手」をたくさん発行していて、それらを展示している郵便博物館(Briefmarkenmuseum)も見落とせない見どころです。
さらに、リヒテンシュタイン観光案内所では、パスポートに入国証明のスタンプを押してくれるサービスもしてくれます。
6 長い通りではありませんがファドゥーツの中心的な通りになっているシュテットレ通り(Städtle Street)と賑やかな市の中心地です。
下の写真の左手に見える白い建物は、地元の人たちに人気の高いイタリアンを提供するリストランテ・チェザーレ(Ristorante Cesare)です。
7 下の写真はファドゥーツのシンボルである市庁舎で、この建物はアジアン料理&オーストリア&ドイツ料理などを提供するホテルレストラン・エンゲル(Engel)の前にあります。
とても瀟洒なデザインで建物の壁にはファドゥーツ市の紋章が設置されています。
この紋章はカラーリングされていませんので分かりませんが、鮮やかな二つの赤い王冠と、二つのお城がデザインされています。
8 また、このファドゥーツの市庁舎前には躍動感にあふれた馬の彫刻が置かれています。
近くにはホテルやレストラン、ブティックなどもあり、この辺りが一番賑やかです。
9 ファドゥーツ城は首都ファドゥーツのランドマークにもなっている美しい城です。
12世紀頃の創建といわれていますが、詳細な記録が残されていないのでよくわかりません。
さらに残念なことは、現在はリヒテンシュタイン公の官邸として利用されているため城内の一般公開がされていません。城の入り口につながる緩い坂道から外観をぐるっと見て回るだけです。
城へのアプローチとしてはファドゥーツの市街地から歩いて行かれます。
私が訪ねたときは城の塔などの工事が行われていて、残念ながらその美しい全体像が見られませんでした。
10 背後に山を抱えた下の写真は、キルヒ通りのバス停(Vaduz,Kirchstrasse)近くからザンクト・フローリンスガッセ通り(St.Florinsgasse)沿いに見える美しいネオゴシック建築の教会・ファドゥーツ大聖堂(Florinskirche in Vaduz)です。
中世初期にあった教会の跡に1874年に建設されたとブローシャーには書かれています。
リヒテンシュタイン公であったフランツ・ヨーゼフ2世とその妻もこの大聖堂に眠っています。
教会の塔に設置された赤色と青色で描かれた時計盤が格別目立ちます。
11 このページのバナー写真に使っているもう一つの城・グーテンベルグ城(Burg Gutenberg)はリヒテンシュタイン公国の南部に位置し、スイスのサルガンスに近いバルザース市(Balzers)にあります。
小高い丘の上に建っていますので、どこからでも見える中世の城です。この城の歴史は古く、この辺りには新石器時代にすでに人が住んでいたといわれ考古学的にも大変貴重なものです。
長い間放置され荒廃していましたが、1900年代初めに再建され、今ではバラ園と礼拝堂が美しい城として人気が高く、だれでも見学が可能です。
11 最後は丘の上に建つグーテンベルグ城を背景に静かに佇むザンクト・ニコラス・カトリック教会(St Nicholas Catholic Church)です。
晴れていれば教会の塔越しに青空をバックにしたグーテンベルグ城が見えるのですが、この日は一日中どんよりとした曇り空、写真も間が抜けたようになり残念でした。
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