秋のラーゴ・ビアンコの写真

ラーゴ・ビアンコの秋

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1 ラーゴ・ビアンコ(Lago Bianco)といえばスイスのグラウビュンデン州ベルニナ峠にある美しい湖がすぐに思い出されます。
しかし、ここでご紹介する湖はそれとは違い、拙著「スイスの秘境を訪ねる旅」の中でも記述しているティチーノ州のロカルノからバスでサン・カルロ(San Carlo)村へ行き、そこからロープウェイでロビエイ(Robiei)に上がったところにある山上湖のことです。
写真はサン・カルロのロープウェイ乗り場です。
ラーゴ・ビアンコ周辺の地図の写真
サンカルロのロープウェイ乗り場の写真
2 ロカルノ周辺にはヴェルザスカやラヴィッツァーラの谷など大変魅力溢れる谷がたくさんあります。今回はその中の一つ、ロカルノ駅前からバスで1時間半ほど入ったバヴォーナ(Bavona)の谷の最奥にあるサン・カルロ村からスタートするハイキングコースをご紹介します。
サン・カルロからはロープウェイで15分くらい上ると標高1,900m余のロビエイに到着します。写真はロビエイに上がったところにある道標です。
ロビエイの道標の写真
3 ロビエイへ上がるロープウェイの運行は、通常6月初旬から10月中旬くらいまでです。
またこのロープウェイは便数が少ないうえ、13時頃には1時間の昼休みも入るため、思わぬタイムロスをしないよう事前に時刻表をよく調べて行きましょう。
ロビエイの駅 (1,891m) で降りると、目の前には場違いとも思えるようなおしゃれな5階建ての白いホテル(Albergo-Ristorante Robiei)が見えてきます。
Albergo-Ristorante Robieiの写真
4ここからはたくさんのハイキングコースが延びており、夏の最盛期には山小屋に連泊して素晴らしいアルペントレッキングを楽しむハイカーもいます。また秋には上のバナー写真のように、山全体が草紅葉で覆われ黄金色に輝きますので大変美しいです。
ただ秋は日が特に短いので、数あるハイキングコースのうち、今日は安全で日帰りできるコースをご案内します。
「ラーゴ・ロビエイ」 「ラーゴ・ビアンコ」 「ラーゴ・カヴァニョリ」という山上に点在する三湖巡りです。
ロープウェイを降りたら南西方向に青白く輝くバゾディーノ(Basodino)氷河を見て、また北東にはラーゴ・ロビエイの白いコンクリートの擁壁を見ながら少し下り、左手の舗装道路を登っていきます。
バゾディーノ(Basodino)氷河の写真
5 このコースは時折ダム湖へ往復する工事用の車両が通りますので道幅は広く、大変歩きやすいです。緩い坂を30分ほど登ると、現在地がリエルプ Lielp(2,010m)という道標が立っています。
ハイキングの写真
リエルプ Lielpの道標の写真
リエルプ Lielpの道標の写真
6 さらに左にゆるくカーブを切りながら7~8分ほど歩くと道標があり、左手の斜面をちょっと登れば最初の湖ラーゴ・ロビエイに出ます。
ただ、この湖へは帰りに寄ることにして先へ進みましょう。
ここは森林限界をとうに超えていますので、背の低い草だけで木は生えていません。
ハイキングの写真
ハイキングの写真
7 コース右側は広い沢になっていて周辺の日当たりのよい場所には雪解けが始まる春から夏にかけてエンチアン、マルタゴンリリー、ウサギギク、ヤナギランなどの高山植物がたくさん咲いています。
また秋には赤茶色に染まった草モミジが太陽の光を受けてとても美しいです。
ウサギギクの写真 マルタゴンリリーの写真

8 コース脇に咲く美しい高山植物を鑑賞しながらさらに進めば、高度を増すとともにだんだんと展望が開けてきます。そして振り返ればバゾディーノ氷河がとても美しく見えます。
やがて小川が流れるところまで来ると、その先に美しいラーゴ・ビアンコが見えてきます。
右手の沢にはラーゴ・ネロ湖(Lago Nero)、ラーゴ・シュフンダウ湖(Lago Sfundau)へ向かう道標があります。
ラーゴ・ビアンコの写真
道標の写真 9 美しいラーゴ・ビアンコを楽しんだら、さらにその上にあるラーゴ・カヴァニョリ湖(Lago Cavagnoli)へ行ってみましょう。
やがてコース脇に咲くピンク色のヤナギランの向こうにカヴァニョリ湖の白い擁壁が小さく見えてきます。
ラーゴ・カヴァニョリ湖(Lago Cavagnoli)の写真
10 さらに歩きやすいコースを15分くらい歩くと素掘りのトンネルが出てきます。短いトンネルですからすぐ出口になりますが、暗いトンネルの先に見える景色はなかなか素敵です。
トンネルの写真
トンネルの写真
11 トンネルを抜けて何度かジグザクを繰り返せばアーチ型のダムの擁壁が眼前に大きく見えてきます。
ラーゴ・カヴァニョリのダム湖の写真
そして目の前には美しいラーゴ・カヴァニョリのダム湖が広がります。
ただ残念なことに湖の周りにはヒュッテも売店もありません。それでも物音一つ聞こえない静寂そのものの山上湖をひとり占めにしてのんびり昼食がとれるのは贅沢そのものです。
ロビエイを出発してラーゴ・ビアンコまでゆっくり歩いて約1時間、ラーゴ・ビアンコからラーゴ・カヴァニョリ湖まで30分くらいです。
ラーゴ・カヴァニョリのダム湖の写真
ラーゴ・カヴァニョリのダム湖の写真
12 さらにここからは、クリスタリナヒュッテ(1時間45分)や、山を下ってアイロロの町(5時間45分)などへ続く長いハイキングコースが続いています。
日の長い夏場に来た時は、テントを背負ったハイカーにずいぶん追い抜かされました。
前回ご紹介した「リトム~スクーロ湖ハイキング」の記事の中で、アイロロ方面の山を遠望した写真を掲載しましたが、ちょうどここら辺になります。
道標の写真
13 美しい山上湖を堪能したら、いま来た道を下っていきましょう。帰るころには太陽も回って反対側の山々や湖を一層美しく見せます。
歩きやすい道なので帰りは軽快に下ることができます。
そして往きに、帰りに寄ろうといったリエルプの道標のところで、右に少し登ればラーゴ・ロビエイに出ます。
湖にはぐるりと遊歩道が設けられていますので、その道を行けばホテルとロープウェイ乗り場の前に出てきます。
ラーゴ・ロビエイの写真
14 夏場なら日が長いので朝早く出発して夕方7時ぐらいまで歩けますが、秋は日が短いので日帰りで歩けるコースは限られます。
ここは安全なコースとはいえ、標高がそこそこ高いうえ秋はハイカーも少ないので決して無理をしないようにご留意ください。

【所要時間】
◆ ロビエイ~ラーゴ・ビアンコ 1時間
◆ ラーゴ・ビアンコ~ラーゴ・カヴァニョリ 30分
◆ 食事や休憩などを入れて往復3~4時間くらいみておけば十分です。
(注)ただ、ロカルノから行く場合は、サン・カルロまでの往復のバス時間を考慮に入れないといけませんので、日帰りではあまり欲張った計画は立てられません。

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