1 ホスペンタール(Hospental)は再開発が進むアンデルマットの町から2㎞ほど離れたところにある小さな村です。アンデルマットから電車(Regio)で僅か4分ほどです。
(注) この駅での停車はStop on requestですから乗車、降車する際には気をつけましょう。
アンデルマットからなら、すぐ近くですから歩いても十分行って来られます。
2 ホスペンタールはスイスのウリ州にあり、フルカ峠方面とサン・ゴッタルド峠を越えアイロロ、べリンツオーナなどを経由してイタリア・ミラノへ通じる街道への分岐となる地点でもあります。
今朝は朝一番で、ちょうどアイロロから馬車が帰ってきました。
3 季節は5月末、長くどんより鬱陶しかった冬からやっと抜け出し、スイスの山里にも明るい陽が射してくる頃です。
見渡せば近隣の山々に、まだまだたくさんの雪が積もっています。
吹く風にも、頬がひんやりとしてきます。
4 今朝はアンデルマットからここまでのんびり歩いて来ましたが、村に入ると小高い丘の上に一際高い物見の塔が見えてきます。
この塔は、当時この地で栄えていた領主:ホスペンタール家が13世紀に築いたものです。
5 また、もう一つこの村のランドマークとなっているのが、高い塔を持ったマリア・ヒンメルファルト カトリック教会です。
1711年にバルトロマウス・シュミットによって建てられたものです。
6 村を抜ける街道となるゴッタルドシュトラッセ(ゴッタルド通り)を歩いてくるとゴッタルドロイス川に橋 (Gotthardreussbrücke) が架かっています。
ホスペンタールはフルカ峠、ゴッタルド峠越えの街道に構える宿場町でしたから昔の旅籠がいくつかあります。写真の中央で橋のたもとに見えているのはホテルRössliです。
7 下の写真は歴史を感じさせる石造りのアーチ橋です。さすがに古くから交通の要所となっていただけのことはあります。
8 街道を歩いて行くと村外れにアンデルマットとホスペンタールの村境を示す表示板が建っています。
看板には「さよならアンデルマット、またね」と、ドイツ語、フランス語、イタリア語で書かれています。
9 アンデルマットからホスペンタールへ行く街道の両側は牧草地になっています。
早春には残雪を割っていち早くクロッカス(学名:Crocus albiflorus)が咲き出します。
そしてタール(谷)は、一週間ほどで白やうす紫の小さな花で一面に覆われます。
10 また、クロッカスの他にも雪解け直後にフキタンポポ(学名:Tussilago farfara)、フキノトウ(学名:Petasites albus)、キオノドクサ・ルキリアエ(Chionodoxa luciliae) などが顔を出します。
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