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スイスの秘境を訪ねる旅
ウンターエンガディン地方の秋

1 スイス旅行というと、どうしてもハイキングやトレッキングができ、たくさんの可憐な高山植物が鑑賞できる夏場になってしまう傾向がありますが、春や秋もまたそれに劣らず素晴らしいのです。
ハイキングの写真
2 日本ではまだその良さが十分伝わっていないため、春・秋に訪ねる旅行者は少ないのですが、この時期は天候も清々しいし、航空券やホテル代も安いので個人旅行で訪ねれば、コストパフォーマンスからいっても絶対的にお奨めです。
サンモリッツの写真
3 それに何よりもハイキングする人にとっては山が静かなのが大きな魅力でしょう。
スイスやチロルの場合、紅葉といってもカラマツ林が中心で、日本のように木々の葉が真っ赤に染まることは少ないのですが、秋にスイスを訪ねるなら、何と言っても “黄葉” が美しいウンターエンガディン地方が一番です。
ハイキングコースの写真
4 具体的な場所としては、サンモリッツからサメダン辺りにかけてのカラマツ林の黄葉は筆舌に尽くし難いものがあります。
手ごろなハイキングコースとしては、シルスマリアから行くフェーの谷や、グアルダ、アルデッツ、フタン、シュクオールへと歩く道や、ミュスタイアの谷に向かう途中のフオルン峠近辺から歩くハイキングコースなどが挙げられます。
ハイキングコースの写真
5 これらの地では朝早くから地元スイスやヨーロッパ諸国から出掛けてきた中高年ハイカーでとても賑わっています。
現役でお勤めの方にとっては春や秋はなかなか休暇が取り難い時期ですが、既にリタイアされた方々には恰好な時期・場所ではないかと思います。
ハイカーの写真
6 今回はグアルダから歩き始め、アルデッツ、フタン、シュクオールへと歩くコースをご紹介します。
この地域の標高はツェルマットと同じぐらいで1,600mありますが、コースはよく整備され厳しいアップダウンもありませんので、シニアやハイキング初心者の方でも安心して歩けます。
グアルダから歩き始め、アルデッツ、フタン、シュクオールへと歩くコースのマップ
7 スタートとなるグアルダ (Guarda)の村は、
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“ずっと遠く、高い山々の、その奥に、
~途中省略~  いちばん下にぽつんとあるのが、その子の家です”
で始まる絵本「ウルスリのすず」の舞台となった村です。
(ゼリーナ・ヘンツ文、アロイス・カリジェ絵、大塚勇三氏訳引用)
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村の中にはお伽の国のように可愛らしい家々や美しい壁絵(スグラフィート)がたくさん描かれています。もちろん主役のウルスリ坊やが住んでいたとする家もちゃんとあります。
グアルダ駅とバスの写真
8 アプローチとしては、グアルダの駅から小型のバス(写真上)が出ていますが、電車との連結が上手くいっていないときは20分位ですからバス通りの途中から急坂を歩いて登って行きましょう。
短い距離ですが、夏には、ここはお花がたくさん見られる隠れたルートです。
下の写真はスグラフィートが美しいグアルダの家々です。
美しいスグラフィートの写真
スグラフィートが美しい家の写真
グアルダの村の写真
9 この壁絵の描かれた家の前の広場にグアルダ駅行のバスの停留所があります。
また、この広場では恒例の蚤の市も開かれ、いつも多くの人たちで賑わっています。 スグラフィートが美しいグアルダの村の写真
10 可愛らしい村の散策を終えたら、100年以上の歴史がある人気の高い老舗のホテル・マイサー(HOTEL MEISSER)でのんびりとお茶でも飲んでいくとよいでしょう。
ホテル・マイサーの写真
11 この村では昔から機織りや陶芸などが盛んで、工房を持っているところでは体験もできる子供向けの陶芸教室を開いているところもあります。
また、村の中には2軒の小さなお土産さんがありますので、カリジェ(Alois Carigiet)の絵の描かれたスケッチブックやお皿やカップなどの小物をお土産に買って帰ればきっと皆に喜ばれます。
カリジェの絵本の写真
12 ここではハイキングコースの道標にも可愛らしいウルスリ坊やの絵が描かれています。
ウルスリ坊やがまるで絵本の中から飛び出してきて案内してくれているようなメルヘンチックなグアルダの村です。
ウルスリ坊やの写真
13 そしてグアルダの村を出て10分ほど歩くと、隣り村となるボスチャ(Bos-cha)や、アルデッツ(Ardez)へと案内する道標が立っていますので、それに従って歩いていきましょう。
やがて前方にボスチャの村が見えてきて、村の中心には下の写真のような白いボスチャの教会があります。この辺りから振り返り見るグアルダの村がとても美しいです。
ボスチャの道標の写真

ボスチャの教会の写真
14 グアルダの村をスタートして涼風の吹く標高1,600mの歩きやすい道をのんびりと1時間半くらい歩けば、やがて右手下方にアルデッツの村と丘の上に建つシュタインスベルクの城砦跡が見えてきます。
写真はアルデッツの駅まで10分のところに立つアルデッツ1,475mの道標です。
アルデッツ1,475mの写真
シュタインスベルクの城砦跡の写真
15 そしてスキーの直滑降で下るようにまっすぐ村へ向かって下りていくと、この地で一番人気の有名なアダムとイヴのフレスコ画が描かれた家のファサード前に出てきます。
アダムとイヴの絵の写真
16 美しいスグラフィートがたくさん描かれたアルデッツ村を散策したら、再び登り返して元のコースへ戻ります。
フタン(Ftan)の村は標高1,633mの地にあり、近隣はのどかな牧草地に囲まれています。
ここからフタンの村までは1時間45分ほどです。
道標の写真
17 下の写真のようなのどかな幅広い歩きやすい道を1.5kmぐらい行ったところで大きく左にコースを取り、タスナン川(Tasnan)が流れる谷の方へ歩いていきます。
そして、右手下方に川が見えてくるころ、プラ・ダ・プント(Pra da Punt)で橋を渡ります。
橋を渡ったら道なりに右にカーブを切り、しばらく林の中を歩きます。
やがて道はパッと開け、あとはフタンを目指して進みます。 ハイキングコースの写真
18 また進行方向右手の眼下にはかつてクール司教やハプスブルグ家などが所有していたタラスプ(Tarasp)城が望めます。
タラスプ城は“風雲城”とも呼ばれています。
タラスプ城の写真
下の写真は電車の中から撮ったものですが、風雲城らしく今にも何かが起こりそうなちょっと不気味な雰囲気を醸し出すため、画像を加工してみました。
タラスプ城の写真
19 このお城には後で訪ねることにして、ハイキングコースをさらに20分くらい歩くと、やがて前方にフタンの美しい教会の塔が見えてきます。
その手前で右の横道に少し入れば、展望の良い庭で食事が取れるホテル「ハウス・パラダイス」がありますので、時間があったらお茶でも飲んでいくとよいでしょう。
フタンは小さな村ですが、とても美しい村です。
フタン村の写真
20 ホテル「ハウス・パラダイス」に寄らなかった場合は、村の中にも蜂蜜とナッツで造ったナッツトルテの大変おいしいレストラン 「 カンティエー二 Cantieni 」がありますので、ここのテラスで一休みをして、ぜひこくのあるトルテを味わっていくとよいでしょう。
レストラン 「カンティエー二 Cantieni」の写真
21 店頭ではこのおいしいトルテやケーキ類も販売されており、カリジェの絵が描かれた大小の箱入りトルテは、日持ちもするので友人などに贈るお土産品としても最適です。
カリジェの絵が描かれたトルテの写真
22 グアルダ、アルデツ、フタン、シュクオールへと歩く楽しいハイキングもここで終わりです。
時間があったらぜひシュクオールの駅前からPTTバスに乗ってタラスプ城を訪ねてみましょう。
タラスプ城へは駅前のターミナルからバスに乗り20分くらいで行くことができます。 ただし、バスの便数は少ないので、無駄な待ち時間が出ないようダイヤのご確認も忘れないようにしてください。
タラスプ城行のPTTバスの写真
23 この城の歴史は11世紀まで遡ります。過去にクール司教やハプスブルク家など所有者が点々としており、期間限定ですが、その間の歴史や各部屋の様子などを説明員が案内してくれる館内ツアーがあります。とても参考になりますので、時間の許せる方はこれを利用すると、より理解が深まります。
ただ、所要時間は1時間以上で途中退場はできませんので、要注意です。
タラスプ城の写真
甲冑の写真
タラスプ城から見た写真

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