ロープヘルナーの写真

イーゼンフルー~ロープホルンハイキング

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1 ロープホルンヒュッテへ行くにはラウターブルンネン駅前広場からイーゼンフルー(Isenfluh)行きのバスに乗ります。
私が最初に訪ねた90年代初めころは、バスと言っても10人乗りくらいの生活者用の白い小さなワゴンでしたが、このコースの知名度が高まるにつれハイカーも増え、2003年には小型の黄色いPTTバスに変わりました。
今では観光用ブローシャーやSBBのホームページなどにも、バスの時刻表がちゃんと掲載されるようになりましたので、発着時刻等についてはそちらでご確認願います。
イーゼンフルー行きのバスの写真
2 バスに乗ればイーゼンフルーの村まで12分くらいで到着します。途中、長野県の上高地にある釜トンネルのような素掘りのトンネルを抜けていきます。
イーゼンフルーの村の写真
3 村の停留所でバスを降り、2~3分歩いた所にズルワルト(Sulwald)に上る赤い小さなロープウェイ(写真下)が見えます。
昔は、主に生活者用に使用していたロープウェイでしたので切符売り場はあったものの係員は常駐していませんでした。
それで出発10分前くらいになると近所の民家のおばさんが郵便物片手にやってきて、切符を切り、ロープウェイのドアの閉め方を教えてくれました。本当に長閑で温かみのある時代でした。
イーゼンフルーのロープウェイの写真
その後は自分でドアを閉め、見上げるような岩壁の上にあるズルワルト駅まで一気に上がるのです。
昔はこんな感じでしたからロープウェイが途中で停まってしまったらどうなるんだろうと、心配に思ったものでした。
イーゼンフルーは小さな村ですが、昔ながらのアルプスの面影を残した大変美しいところです。
イーゼンフルーのロープウェイの写真
(注)このコンテンツは1995年に公開したページのリニューアル版です。
拙サイトの中でも最も古いページの一つで、画像が非常に小さかったため少し大きくし、かつスマホに対応するべくモバイルフレンドリーに作り直しました。
写真も一部当時のものを使用しています。

4 しかし、今ではこのコースも人気が出てきて駅に係員もいますので安心です。
ただ終点のズルワルト駅に上がってみると、やはり係員はいません。因みに帰りに乗るときは自分で下に電話して動かしてもらいます。
駅舎に吊るしたアイビーゼラニュームが雪山を背景にしてとてもきれいです。
また、駅舎には軽飲食できるカフェがあります。この先ヒュッテまでトイレがありませんので、ここで借りていきましょう。トイレはとてもきれいです。
ズルワルト駅の写真
ズルワルト駅の写真
5 駅のすぐ近くには道標:ズルワルト(Sulwald 1,520m)があり、ここでは左手に進み 、よく草が刈り取られた歩きやすい道をキューボドゥメン(Kühbodmen)の方向へ歩いて行きます。
そしてしばらく行くと道は二手に分かれますので、右の細い道を登って行きます。
やがてコースはややきつい登りとなり、樹林帯の中を30~40分くらい歩きます。
ズルワルトの道標の写真
ベルナーオーバーランド三山の写真
ズルワルトから歩き始めると左手の針葉樹林の上にベルナーオーバーランド三山が美しく見えます。 ズルワルトの写真
写真はロープウェイを降りて歩き始めたコースを振り返って見ているところです。
この辺りは本当に長閑で、まるでハイジの世界みたいです。 放牧の牛の写真
林の中の道に入ると、山上湖ズルスゼーのアルプに上がる牛さんたちが文字通り“道草を食いながら”のんびりと登って行きます。
この牛さんたちはまた後で登場します。
Kühbodmenの道標の写真
さらに登りKühbodmen(1,720m)の道標が出てきたらズルス、ロープホルンヒュッテの方向に登って行きます。
ハイキングコースの写真
6 樹林帯を抜けると、視界がパッと開け、あたり一面お花畑となります。
前方には奇岩「ロープヘルナー 」が小さく見えてきます。また、振り返れば後方にヴェッターホルンとベルナーオーバーランド三山、シーニゲプラッテなどが美しい姿を見せてくれます。
ハイキングコースの写真
7 やがて左手にズルスバッハ(川)が流れ、その脇の岩の多い緩い坂道を登って行きます。
10分ほど登ると、左・グリュッチュアルプ、直進・ロープホルンヒュッテの道標が出てきますので、ここでは直進します。
ハイキングコースの写真 ハイキングコースの写真
8 さらに10分ほど登ればラヌンクルス・アクリス(ミヤマキンポウゲ)、ミオソティス(ワスレナグサ)、シレネ・ウルガリスなどがこぼれんばかりに咲く斜面の上に、酪農家の屋根が顔を見せます。


ズルスの農家の写真
ワタスゲとロープヘルナーの写真
一方、目を左手に移すと、ワタスゲが一面に咲く湿地帯の後方にロープヘルナーが小さく望めます。
チーズ小屋の写真
9 この酪農家では大きな釜の中でチーズを造っていますので、ぜひ中に入り見せて貰いましょう。
たぶんやさしい女性が造り方を丁寧に説明してくれると思います。(ただその方が今もいらっしゃるかどうか分かりません)
チーズ小屋の写真
10 酪農家の壁面にはSulsの道標(1,910m)が設置されており、右に行けばズルスゼーへ10分、目指すロープホルンヒュッテへは20分、また左へ行けばロープヘルナーと表示されています。
ズルスゼーは小さな湖ですが、湖畔にはたくさんの高山植物が咲き大変美しいです。
チーズ小屋の写真
11 ここでは右手へ進みます。そのすぐ先で直接ヒュッテへ行く道と、湖を経由して行く分岐がありますが、先にヒュッテへ行くこととします。
この先はカールになっていて、雪が遅くまで残りますので高山植物は大変美しく、まるで箱庭のようです。
花を愛でながら20分くらい登ると目指すヒュッテにたどり着きます。ここからの展望はまた素晴らしいです。
ロープホルンヒュッテの写真
ロープホルンヒュッテの写真
ロープホルンヒュッテの写真
ヒュッテの前のテーブルに腰を掛けると、右に奇岩「ロープヘルナー」とロープホルン、前方にベルナーオーバーランドの山々が一望できます。
ここで昼食にして、ぜひ小屋のケーキセットをいただきましょう。コーヒー、紅茶の代わりにミルクを頼めば、しぼりたての牛乳が飲めるでしょう。

12 一休みしたら帰りは、湖:ズルスゼーの方を廻って下っていきます。
この辺りは大きな岩がたくさん剥きだしていて研究者たちにとっては貴重な地層だと言われます。
それらの岩の隙間にはハクサンフウロなどの高山植物が美しく咲いています。 ズルスゼーの写真
ズルスゼーの写真
湖は小さいですがとても静かで神秘的です。今日は水辺で牛さんたちがたくさん水浴びしたり草を食んだりしています。
往きに出合った牛さんたちはもう来ているかな?
ズルスゼーの写真
13 湖を過ぎたら往きに登って来た小川沿いの道を下り、二股に分かれた道標のところでグリュッチュアルプの方向に向かいます。
そして右手の岩山を巻くように進んで行きますが 、ここらへんの斜面にはツツジのようなピンクの花をたくさんつけたアルペンローゼが一面に咲いています。
ハイキングの写真
14 しばらく樹林帯の中を歩くと、やがてソオス(Sous)の谷に出ます。緑の斜面と前方に広がる深い谷の美しさに思わず感激します。
(大昔、単独行した時は、朝スタートしてここまでハイカーには一人も会わず、この静かな深い谷の中にたった一人でいると、とんでもないところに来てしまったのでは、と心配になったことが思い起こされます。)
ベルグウェツクの道標の写真
花が咲き乱れる山の斜面をさらに進むと、はるか左下に見える小川にかかる小さな橋に向かって一気に下るベルグウェツクの道標に出ます。
ここを下れば対岸の斜面にショートカットできます。
(さらに先に進んで人気のない小屋の横を通り、樹林帯を抜けて対岸の斜面に行くこともできますが、時間的には1時間ぐらい余計に掛かります。)
ベルグウェツクの道標の写真
15 ここではショートカットすることとし、急坂を下って行きましょう。
小川を渡って対岸の道に取りつくと、右・グリュッチュアルプ、ミューレン、左・イーゼンフル ーの道標があります。
ここを右に登り、さらに左に登った所に左・グ リュッチュアルプ駅1時間、右・山越えでミューレン3時間の道標がありますので、左にコースを取り、長い樹林帯を抜ければ 、ハイキングの終点であるグリュッチュアルプの駅に到着します。
道標の写真
道標の写真
16 ここで元気があれば、さらにミューレンの村まで行ってみましょう。
そしてそこから、アルペンローゼなど高山植物が豊富なアルメントフーベルに登ってもよいし、ステッへルベルクからラウターブルンネンの谷底までロープウェーで降りて、トゥリュンメルバッハの滝を見学して、バスでラウターブルンネンの町まで戻ってくるのも楽しいです。
それらの案内は別のページに紹介してあります。
ハイキングの写真

【所要時間】
◆ ズルワルト~ロープホルンヒュッテ 1時間半~2時間。
◆ ロープホルンヒュッテ~グリュッチュアルプ 1時間半~2時間。
◆ グリュッチュアルプ~ミューレン 1時間。

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