シャフラーヒュッテへのハイキングは先ず、アッペンツェルから電車でヴァッサーラウエンまで行く。そして駅を降りたすぐのところからエーベンアルプへ上がるロープウェイが発着しているので、それに乗る。
ロープウェイは約800mの高度差を一気に上る。途中の急峻な岩壁には細い登山道が設けられており、上の下車駅から簡単に行くことができる。太古の遺跡が出土した洞窟、祠、屋根つきの通路、レストランなどがある。
エーベンアルプのロープウェイ駅から外へ出れば、辺りはキンポウゲが一面に群生する高原。これから行くシャフラーヒュッテは、ゆっくり歩いても2時間かからない。写真はベルグガストハウス・エーベンアルプ。
美しい高山植物を眺めながら5分ほど歩くと、すぐに道標が出てくる。向かって左下に下っていくとゼー・アルプゼーヘ出る。ただし道はかなり急な下りである。シャフラーヒュッテへはこの道標で真っ直ぐ進む。
このハイキングコースは道幅は狭いが危険なところはない。初夏には瑞々しい高山植物がたくさん見られる。標高が低いので、夏に歩くコースではない。15分位歩くと左手の眼下に美しいゼー・アルプゼーが望める。
この花は学名で「ヴィオラ・ビフロラ」という花である。日本でも亜高山から高山地帯でよく見られるキバナノコマノツメと同じ。どの花にも言えることであるが、高山植物は咲き始めが瑞々しくて一番美しい。
この花は学名では「ピングクイクラ・アルピナ」と呼ばれ、和名ではムシトリスミレ。一般的にはパープル色の花の方がよく見られるが、黄色いクチを持った白花はより可愛らしい。ムシは花ではなく、葉の粘液で捕える。
日本ではこの形状の花を見かけないが、学名では「グロブラリア・コルディフォリア」と呼ばれる。グロブラリア科の花であるが、日本で同じ仲間を探せば、花の形状は違うが、ウルップソウということになる。
これはスイスアルプスではよく見られるグローブフラワーと呼ばれる花で、学名では「トゥロリウス・エウロパエウス」と呼ばれる。花冠が大きくて草丈が高いので、群生している様子は大変見ごたえがある。
コースは写真のように道幅は狭いが、厳しい登りは全くない。ただ、ところどころ岩が剥き出しになったところを歩くので、雨の日などは滑らないように気をつけていただきたい。靴はもちろん登山靴を履いていくこと。
のんびり高山植物を見ながら、中間点ぐらいまで来ると、酪農小屋が見えてくる。スイスアルプスというと牛が多いのであるが、ここにはいつも馬がいる。シャフラーヒュッテはもうすぐなので、ここは通り過ぎる。
ここはChlus、標高は1726mである。道標が立ちスタートのエーベンアルプまで 20分、ヒュッテまで30分とある。スイスの道標の所要時間は日本人の歩行スピードより大分早いが、ここはそんなに差が出ない。
スイスアルプスには牛とヤギがよく似合うが、ここでも可愛らしい親子連れのヤギがたくさん草を食んでいる。とても人に馴れていてハイキングしている私たちの後を、どこまでもついてきてしまうので、困ってしまう。
コースはゆっくり右に回り込み、振り返れば、いま歩いて来た道が見える。左上の方に小さく見えるのが、下車したロープウェイの停車駅である。歩いているときは気が付かないが、ずっと岩壁の上のコースを来たのだ。
スイスアルプスの初夏に当たる6月下旬から7月初旬に歩けば、ここは全コースを通じて黄色いキンポウゲが一面に咲く道となる。また、ところどころでゼーアルプゼーが望める場所からは、下の湖がとても美しい。
このコースにはたくさんの高山植物が咲いているので、訪ねるなら、まだ花が傷んでいない6月後半がよい。標高がそれほど高くないので、アッペンツェル訪問時に訪ねるとよい。最後の緩い登り坂、小屋はもうすぐだ。
この日は午前中は小雨が降る生憎の天気であったがヒュッテに着く頃には青空が出てきた。ヒュッテは標高1925mにあり展望がとても良い。コースはゆっくり歩いても3~4時間なのでシニアにはちょうど良いだろう。
ヒュッテの奥から遠望すれば、山頂に塔の立つセンティスが小さく見える。眼前には昔、何度も歩いたセンティスからのロングトレイルが続く。トップの大きな画像を参照。絶景を満喫したら、帰りは来た道を戻ろう。
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シャフラ―ヒュッテ往復ハイキング
アッペンツェルからヴァッサーラウエンへ行き、ロー
プウェイでエーベンアルプへ上がります。
そしてそこからシャフラ―ヒュッテまで往復します。
初夏(6月下旬から7月上旬)に歩けば瑞々しい高山植
物がたくさんご覧になれます。
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