今日はシャモニーにある美しい湖、ラック・ブランを訪ね、アルジャンティエールへと下るハイキングコースを歩いてみよう。 
シャモニーからル・トゥール行きのバスに乗り、レ・プラの停留所で下車する。
シャモニーでは宿泊しているホテルに頼めば、バス乗り放題のフリーパスをもらえるので、ぜひこれを活用しよう。ただし、このようなサービスがいつまで続くかわからないが・・。

フレジェールからランデックスへ上るテレキャビン駅へ行くのであるが、その前にバス停を降りたすぐ近くに教会があるので、そこにぜひ寄ってみよう。
晴れていれば教会の後ろには、あの有名なドリュの針峰が美しい姿を見せるのであるが、残念ながら今日は霧ががかり全然見えない。
それに、ここは午前中は逆光なので、綺麗な写真を撮りたかったらぜひ午後に訪れよう。
テレキャビンの駅は広い駐車場を横切ればすぐそこである。

フレジェールで乗り換え、ランデックスの駅を降りると、小さな岩がゴロゴロしているものの、広くて割り合い平坦な道を行く。今は8月だが、ところどころ雪が残っている。右手にはモンブラン山群、右下にはメール・ドゥ・グラス氷河が見渡せる。
しばらく歩くと大きな岩を敷いたような道になり、何度か上り下りするとフレジェールからの道に合流する。

この分岐を左に折れて少し登ると高台の上にラック・ブランが美しい姿を見せる。
ここまで来る途中の登山道脇には、日本で言うバイケイソウの仲間である、ヴェラツルムがたくさん咲いている。
ユリ科の花であるが、岩と岩の間に背丈の高い花を咲かせる。ランの仲間であるシンビジュームのように一つひとつの花はきめ細かく大変美しい。 (学名 Veraturum album)

反対側に見えるメール・ドゥ・グラス氷河

 

ゆるい丘を登り切ったところに、小さな避難小屋があるが、そこを通り過ぎて湖の淵を伝って、奥の湖の方へ行ってみよう。
空の青さが湖に映り、それはもう素晴らしい美しさだ。見上げれば岩肌に残雪を抱いた山々が、これまた美しい。
小高い丘の上にはホテルレストランがあるので、ぜひ立ち寄ってみよう。

目を転じて避難小屋の方を見れば、モンブラン山群がすばらしく美しい。
午前中はやはり逆光となること、そしてよく霧が出ることから今回は余り綺麗な写真を撮れなかったが、写真撮影が目的ならここの丘の上のホテルに陣取ればきっと素晴らしい写真が撮れることだろう。

しばらく休んでこの素晴らしい景色を堪能したら、シェズリー湖に向かって歩き始めよう。標識がキチンと出ているので注意していれば道に迷うことはない。
いくつかの小さな池のような湖を経由してしばらく進むと、分岐があり右へ行けばフレジェール、左に行けばモン・ロック方面へと続く道に出る。



      

ここでは少しモン・ロック方面ヘ向い、すぐUターンするように右に折れ、ややきつい坂を下っていこう。
このあたりは、道がいくつもあるので詳細地図で確認して欲しい。

ハイキングコースの両側には高山植物が乱れ咲き、雪を抱いた山々が大変美しい坂道を下っていく。

 

危険なコースは全然ないが、ここからアルジャンティエールまでは、いやになるほど長い。

下の方に町並みが見えているのになかなかたどりつけない。町に下りたら、シャモニーまでバスでも電車でも帰れるが、道路沿いに停留所があるのでバスを利用しよう。
ランデックスからゆっくり歩いて6時間くらいのコースである。



ラック・ブランのマップ