ダヴォスからラッチュエルフルッガ峠を越えてアローザの村へ ~前編~
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ダヴォスはスイスの東部に位置し、世界経済フォーラム(ダヴォス会議)が開催されることでも有名な大変美しい町である。また、素晴らしいスキー場がたくさんあることでも知られ、スイスの多くのリゾート地と同様に、ここもまた夏よりも冬の方が断然にぎわいをみせる。 とはいえ静かな夏場も狙い目で、2~3時間で歩く初心者コースから7~8時間くらいかけて歩く健脚コースまで、景色や高山植物が美しいハイキングコースがたくさんある。 体力や余裕時間に応じてコースを選択すれば、いろいろな形での山歩きが楽しめる。
今回ご紹介するコースは、ダヴォスから峠越えをして隣のアローザの村へ下っていくものである。このコースは非常に長く、標識でも約6時間を要すとされ、写真を撮ったりゆっくり景色を見たりすることが多い日本人の歩き方では7時間以上かかることを覚悟しておいた方がよい。
今回はそのコースの前編をお伝えする。 | |
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ダヴォスの町は、ダヴォス・ドルフ駅とダヴォス・プラッツ駅の二つの駅にまたがってひろがる。前述の国際会議場は丁度その真ん中あたりになる。ダヴォス・ドルフ駅からはヘーエンヴェック(Hohenweg)を経由してヴァイスフルーヨッホ(Weissfluhjoch)に、ダヴォス・プラッツ駅からはシャッツアルプ(Schatzalp)ヘ上る登山鉄道が走っている。
ダヴォス・ドルフ駅から行く場合はパノラマヴェーク駅からスタートし、ダヴォス・プラッツ駅からはシャッツアルプ駅からスタートすれば良いだろう。どちらもシュトレーラパス(Streilapass)へ出るのであるが、パノラマヴェーク駅からの方がアップダウンが少なく、景色もきれい。時間的にはシャッツアルプ駅からの方が早いが、夏はケーブルがとまっているので、標高差500mを一気に登らなければならない。 | |
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私は登るのが大好きなのでシャッツアルプ駅から歩いた。 駅で降りたら右の方向に向かいレストランを目指して登っていく。よく刈り取られた緑の美しい牧草地を登り、眼下には美しいダヴォスの町が、振り返った向かい側にはヤコブスホルンが美しい姿をみせる。 ヤコブスホルンへ上るにはダヴォス・プラッツ駅の横からロープウェーがでているので、ここに連泊するならこちらのコースも歩いてみよう。なだらかな山なので安心してハイキングが楽しめる。
しばらく休憩したら、レストランの裏側からシュトレーラパスに向かって登って行こう。 ややきつい登りだが、上のコース表示板でも見られる通り、1時間半から2時間くらいの辛抱だ。 |
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道は広くて歩きやすい。ただし、下りにここを使う場合は、砂利のような小さな岩がたくさん敷かれた道なので、石車に乗らないよう十分気をつけよう。両側は背の低い草地でおおわれ、高山植物がたくさん咲いている。上にはスキー用のケーブルがシュトレーラパスまで延びている。右手の奥の方にはダヴォス・ドルフ駅から上るパノラマヴェーク駅方向が見え、そこから山の斜面をぐるっと周るように、こちらのシュトレーラパスに向かってハイキング道が続いている。
この部分は展望が良いのでパノラマヴェークと呼ばれており、ハイカーが米粒のように小さく、行き来しているのが見える。 |
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また、牧草地には牛たちがのんびりと草を食む。やがて道はだんだん細くなるが、天気がよければ第一目的地のシュトレーラパスは前方の上にずっと見えているので心配はない。先はまだまだ長いので、上に着いたらレストランがあるので、そこでゆっくり休憩していこう。
昼食をどこで取るかによっても違うが、ここから、このコースの最高地点となるラッチュエルフルッガ峠までは1時間強、最終目的地のアローザまではまだ4時間~5時間かかる。 |
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このあとは左上の写真で示すと、左手の方に進んでいく。ラッチュエルフルッガまでは標高差50~60mぐらいなのでほとんどフラットである。長いページになったので、この続きは後編に分けてご案内する。
前述の通り、ダヴォスの市街は二つの駅にはさまれた細長いエリアである。ダヴォス・プラッツの駅を降りたら、観光案内所に行き、マップやパンフを貰っていこう。 |
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シャッツアルプ(Schatzalp)ヘ上る登山鉄道の駅は、ダヴォス・プラッツの駅を出たら、すぐ前のエスカレータで上にあがる。そして、バンホーフ・シュトラッセ・プラッツ(駅前広場)に出たら、素敵なお店が両側に軒を連ねるプロムナードを右に15分くらい歩いていく。よく注意していれば、左側にシャッツアルプバーン(鉄道)の案内表示板が見えるので、そこから乗車する。
左上の写真は、マメ科のロトゥス・アルピヌスで、黄色と紅橙色の混じりが美しい。右上の写真は、日本ではコゴメグサと呼ばれるゴマノハグサ科のエウフラシア・ロストコビアナ。 |
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【 ダヴォスからアローザヘのハイキングコース概略図 】
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