Chamonix
 

 

 


このコースはシャモニーでは非常にポピュラーなコースなので、ハイキングされた方も多いのではないだろうか。また、いろいろな書籍類にも大抵紹介されているのでここでは詳述は避けたい。
シャモニー駅から7~8分歩いたところにエギュイーユ・デュ・ミディ展望台へと上るテレキャビン駅がある。途中中間駅であるプラン・デュ・レギュイーユ駅で乗り換え、あとは一気に富士山より高い3795メートルまで上ってしまう。
この展望台からは、晴れていればモン・ブランをはじめとしシャモニー針峰群が大パノラマで見ることができる。スイスの山々とは一味違い、針峰という表現がまさにぴったり当てはまるようなピークが針のように険しく尖った山が多い。

       

ミディ展望台からの景色を満喫したらテレキャビンでプラン・デュ・レギュイーユ駅まで下り、そこで降りて、売店横からテレキャビンのロープに沿って下っていこう。ここは標高2300メートルくらいあるからもう森林限界で、背の高い木は生えていない。
またここはハイカーが多いのであろう、あたりにはいくつかのショートカット道ができてしまっており、やや右手に下りてそのまま直接メインルートへ入るもの、テレキャビンに沿って大きな岩がごろごろした草地をを下り、山小屋を経由してメインルートに出る道がある。
この小屋はレストラン兼業のホテルであり、ここから下方に見るシャモニーの町は大変美しい。

       

小屋の周りをグルッと回るように歩き、メインルートに入り、しばらく進むとやがて沢に出会う。沢といっても氷河の溶けた水でできたものあり、大雨の後でもなければ難なく渡ることができるので心配は要らない。
シャモニーのハイキングコースはスイスのコースと比べると一般的に大きな岩が多く、決して歩きやすいとはいえない。道の両側には濃いピンクの花、アルペンローゼがそれらの岩々を覆い隠すように群生している。さらに2箇所ほど沢をわたり、標高差にして150メートルぐらい下るとやがて道は二股に分かれており、やや右手にゆるい坂を下ってモンタンベールの駅へ続く道、右上手に一気に上って駅へ行く道にぶつかる。

       

心情的には右の急登は避けたいところだが、ここはわずか15分くらいの登りだからがんばって右手に折れ、美しい高山植物の群落を見ながらいくことにしよう。何度かジグザクを繰り返しながら登ればやがて展望の良い場所に出て、さらに平たい石を敷いて作った階段状の道を進めば、ケルンがたくさん積まれた場所に出て、前方にドリュが見えてくる。右手にはメール・ド・グラス氷河が広がり、奥にはグランド・ジョラスが堂々とそびえている。
そして氷河を目指すようにさらに歩けばモンタンベールの駅前広場に出る。 駅周辺には展望レストランや山岳ホテルもある。また規模は小さいが洞窟のような博物館があり、この近辺で採鉱された鉱物などが展示されている。さらに下方の氷河を見物したいなら、駅前からテレキャビンに乗って下り、そこから歩けば氷河の入り口へ行くことができる。
青白い宝石のような美しい氷河をまじかに見て十分堪能したら、駅から電車に乗ってシャモニー駅へ戻ることにしよう。

コースタイム: プラン・デュ・レギュイーユ ~ モンタンベールの駅前 約3時間