エルム～エンペックリ　フラワーハイキング

Gondelbahn Elm ～ Ämpächli Hiking

早春のスイスでハイキングを楽しんだ後、オーストリアのチロルへ向かう前日、スイスのサルガンスに宿を取りました。サルガンスは、温泉があることで有名なバートラガッツや、ハイジの里でよく知られているマイエンフェルトの近くです。

そして5月初旬、日帰りでリンタールに入り青空会議のあるグラールスに寄った後、エルムを再訪しました。シュヴァンデンからバスに乗りエルムのバス停でまで行き、すぐ近くにあるゴンドラ乗り場からエンペックリに上がります。

エンペックリは標高1500m弱ですが、残念ながら山の上は小雨模様で、濃いガスも発生しており展望は余り利きません。ただ遠くで青空がのぞいており、回復を期待して歩き始めます。ここは真夏より花がきれいな春に訪ねるのが一番です。

このコースは周回コースになっていますので右回りで歩いても、左回りで歩いても構いません。それに上に上がってしまえば、一番高いオーバーエンペックリとの標高差も僅か300mくらいですから楽勝です。天気が良ければ展望も良いです。

オーバーエンペックリにあるスキーハウス横の道標です。ここの斜面は冬季はリフトも稼働し、スキー場になります。この道標で直進すればキューボーデンゼーへと通じます。ここではコースを左にとり緩い坂を下って行きます。

このコースは上の周回コースをぐるっと廻り、帰りはゴンドラを使わず歩いてエルムまで下っても所要時間は３～４時間くらいです。早春にグラールスやエルムの村の散策と組み合わせれば楽しい一日を過ごせることでしょう。

スイスで2008年にUNESCO世界自然遺産に登録されたピッツ・サルドナを中心とした広域地殻変動です。古い地層が新しい地層の上にのしかかっているという地層の逆転現象をプレートテクトニクス理論で説明されました。

白い色のレースフラワー、黄色いリナントゥス、タンポポ、キンポウゲ、そして赤紫色のハクサンチドリやハクサンフウロ、アカツメクサなど、色とりどりの花がなだらかな斜面にびっしりと咲いています。まさに春爛漫という光景です。

ここを2000年5月に訪ねたときは良いお天気でしたが、今日は大分雲が薄くなってきたものの相変わらずどんよりとしています。晴れていれば山並みが望め展望が良いのですが残念です。手前の黄色い花はキンポウゲの群落です。

目に優しい黄緑色をしたアルムには牛さんたちがのんびりと草を食んでいます。
この時期にはまだハイカーもほとんどいないし、早春の花々が咲き乱れる静かなハイキングコースをまさに"独り占め"といったところです。

コースをぐるっと周回し、ほぼフラットな道に出てきました。ここからはエルムの谷を隔てた向かい側に世界自然遺産に登録されているピッツ・サルドナを中心とした、のこぎりの歯のようにギザギザした山並みが望めます。

予想通りお天気が急回復してきて前方の山並みの上に青空が見えてきました。
この後、青空があっという間に広がり、きれいに晴れ上がりました。スイスでハイキングというと夏、と思い込んでる人が多いですが、早春も素晴らしいです。

前方にエンペックリのレストランが見えてきました。丁度よいので、ここで一休みしていきましょう。後はゴンドラに乗っても良いし、歩いて下ってもよいでしょう。
次のコマ写真からは可憐な春の花たちを紹介していきます。

ユリ科シュロソウ属のウェラトゥルム・アルブム（Veratrum album）。日本でも見られるバイケイソウの仲間です。

トリフォリウム・プラテンセ（Trifolium pratense）マメ科ジャクジソウ属のアカツメクサの仲間です。

ナデシコ科の花で日本ではマンテマと呼ばれる花の仲間です。学名はシレネ・ウルガリス（Silene vulgaris）。

ダクティロリザ・マクラタ（Dactylorhiza maculata）。花柄が大変美しいラン科ハクサンチドリ属の花です。

カンパヌラ・バルバタ（Campanula barbata）。キキョウ科ホタルブクロ属のベルフラワーです。

リナントゥス・アレクトロロフス（Rhinathus alectorolophus）。ゴマノハグサ科の花で群生します。

ダクティロリザ・オクロレウカ（Dactylorhiza ochroleuca）。やや珍しい白い色のランの花です。

プラタンテラ・クロランタ（Platanthera chlorantha）。薄いクリーム色をした小さな花を咲かせます。

フィテウマ・へミスファエリクム（Phyteuma hemisphaericum）。「悪魔の爪」とも呼ばれます。

タラクサクム・オフィキナレ（Taraxacum officinale）タンポポの花の咲いた後の穂です。

　　　　　　　　　＜　コース概要　＞
このハイキングコースを歩くにはチューリッヒからクールへ向かう途中にあるジーゲルブリュッケ駅へ行きます。
そこで電車を乗り換えてシュヴァンデンまで行き、そこで、この地へは鉄道が通じていませんのでバスに乗り換え、エルムのバス停で下車します。そしてすぐそばから発着しているゴンドラ「Gondelbahn Elm – Ämpächli」に乗り、終点のエンペックリへ上がります。ジーゲルブリュッケからエルムのバス停までの所要時間は約50分です。

エルム ～ エンペックリ フラワーハイキング

Gondelbahn Elm ～ Ämpächli Hiking

エルム～エンペックリ　フラワーハイキング