鎌倉にある五山の円覚寺と建長寺が、それぞれ所蔵する宝物の風通しを、毎年11月3日の文化の日に行っています。
この風通しの日には、日本史などの教科書にもよく掲載されていた国宝の円覚寺舎利殿など、素晴らしいものがたくさん見られますので、この時期に鎌倉を訪ねられた方は、ぜひ一度ご覧になることをお奨めします。
ところで、この風通しを見て、何十年にもわたってスイスで撮り続けた写真のポジフィルムのことを思い出しました。
山岳写真家が撮ったような立派なものはありませんが、若い頃に好んで登ったヴァリスやジナール、シャモニーなど思い出の山の写真がたくさんあるのです。
しかし、デジカメに慣れてしまうと、面倒くさくて、いまさらスキャナーで写真を取り込んでホームページなどで利用しようなんていう気が起きてきません。
それで長いこと、ポジフィルムのまま段ボール箱の中に放り込んだであるのです。
二度と撮れないものも多いし、いつか使うかもしれないと一応、数年に一度は風通しをしているのですが、最近はカビのようなものが表面についてしまっています。
今はデジタルの時代、過去に一度、全部スキャナーで取り込んでデジタル化をしておこうと考えましたが、結局CDやDVDに焼いておいても永久保存ができるわけではありません。
そんな時、ふと頭に、“結論めいた諦めの思い”が過ぎりました。
あっ、そうだ、そんな心配いらないか、その前に、自分の方が先に使いものにならなくなってしまうんだから・・・ と。その時期がひたひたと近づいて来て…
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