晴天の下で、山の美しい写真を撮るためにスイスやチロルへ行っている人には怒られそうな話ですが、スイス旅行中、私は朝起きて、空を見上げ、曇っていると、“あっ、今日は、いい写真が撮れる”とほっとします。
もちろん旅行中、毎日曇っていたり、雨ばかり降っていても困るのですが、美しい花の写真を撮るためには、雲ひとつなく晴れ上がった日の強い光線は、好ましくないのです。
ピーカンの日の強い光線は、重なり合う花弁や葉の背後などに、コントラストの強い黒い影をたくさんつくりますので、写真が、どうしてもギラギラとして、どぎつくなってしまうからです。
それで、カンカン照りの日には、どうせダメなんだからと、私は、あまり花の写真を撮らないようにしています。
しかし、珍しい花や、特別美しい花に出合ったりした場合などには、折角の機会ですから撮影しないわけにはいきませんので、特殊なフィルターを使用したり、雨傘を広げて弱い影をつくるなどし
て対処しています。
それから、いつも家へ帰ってからフォトショップなどのアプリケーションを使用して画像処理し、ネットなどに利用したり保存したりしているのですが、この強いコントラストの影はどうやっても和らげるのが難しいです。
曇りの日だけでなく、雨で葉や花に雫の残る草花や、うっすらと雪に覆われながらも可憐に咲く花も、趣があって、とても素敵です。
虫のよい話ですが、展望のよい高い山に登るような日は青空の下での美しい山の写真が撮りたいので、もちろん曇りより晴れることを望むのですが…。
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