日本国内で電車や地下鉄などに乗っていると、向かい側に座っている人のほとんどがスマホやiPadなどの画面を見ています。
電車の中は、どうしても手持ち無沙汰になりますから仕方がないと思うのですが、その光景は、異様とも思えるほどです。
ひと昔前なら新聞を読むか、文庫本を読むか、居眠りをしている人が多かったのですが、モバイル端末の出現と普及で様変わりです。
しかし最近は、さすがにマナーが徹底されてきたのか、車内で通話している人はほとんど見られなくなってきたことは喜ばしいことです。
これがスイスの電車の中となると、大違いです。周りの人の迷惑など気にもせず、平気で大きな声で長電話をしている人が多くいるのです。
以前、チューリッヒ中央駅からルガノへ移動したときのことです。スイス・イタリア間を結ぶ国際特急列車:チザルピーノ(*現在はチザルピーノ社としての運営が終了されている)の中で、前に座った女性が、なんと3時間近くも延々と、大き
な声で電話をしていました。
そうかと思うと、スイスには上の写真に見られるように “唇に人差し指をあてたマーク”が張られたサイレントカーという車両が走っています。
この車両の中では、スマホなどで通話することはもちろんのこと、大きな声でおしゃべりをしたり、ウォークマンのようなもので外に音が漏れるものは使用できません。
ちょっとでもおしゃべりをしたり、音を発したりすると、乗客が遠く離れたところからでも飛んで来て、これはサイレントカーです、うるさいからやめなさい、と注意されます。
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