空にキラキラ輝く星のように、あるいは晩夏の海にプカプカ浮かぶクラゲのようにも見えるこの奇妙な形の花は、モネゼス・ウニフロラと呼ばれる花です。
学名では(Moneses uniflora)といい、植物分類上はイチヤクソウ科に属します。
この花の好む生育場所は、川沿いのジメジメした薄暗い林の中や木の下です。
また、花は下向いて咲かせますので、写真を撮るのにも一苦労です。
草丈も小さく、下向き開花ですから、アングルファインダーを持っていないと、地べたに這いつくばって、フラッシュをたかないと、花の美しい顔が撮れません。
この日もそんな悪条件の中にこの花を見つけ、ズボンや手を泥まみれにしながら、なんとかこんな写真が撮れたのでした。
花はウニフロラという名前の通り、茎頂に白い花を一つだけ咲かせます。
そして、なかなか面(おもて)を見せないこの恥じらい娘の顔をそっと覗くと、長く突き出た芯と緑いろをした丸い雌しべ、黄色い雄しべがとても印象的に見えます。
主として北半球に生育する花ですが、日本では、ごく少数、大雪山周辺の同環境の場所で観察されています。
また、日本でもよく見られるこの仲間には、花の形状や、つき方(花序)が全然違いますが、コバノイチヤクソウやベニバナイチヤクソウなどがあります。
薄いピンク色をしたベニバナイチヤクソウは長野県にある上高地の小梨平周辺に大きな群落がみられます。