ヨーロッパアルプスには素晴らしいお花畑がたくさんあります。
一般的に高山植物の開花時期は大体、6月初めから8月末ぐらいですが、花の種類や、生育する標高、さらには、その年の天候によっても、見頃は大きく左右されます。
この15年くらいの間に地球の温暖化は確実に進行しているようで、最近はヨーロッパ各地で、春から初夏にかけての早い時期に、これまでの最高気温を更新する、という異常気象が続いています。
今年(2012年)の6月にはチロル地方でも36~37℃という異常な高温を記録し、地元でも大きな話題となりました。
例年とは違う変な時期に、こういう暑い日が数日間も続くと、植物はそれに呼応して花々を中途半端に咲かせてしまい、平年の開花時期には、もう、お花畑は見る影もなく傷みつけられた状態になってしまいます。
上の2枚の写真は、年度は違いますが、同じ時期に、同じ場所で咲いている花を定点観測したものです。
上の写真で一面に咲くピンクの花は、すでにこのサイトでもご紹介済みのシレネ・アカウリス(ナデシコ科)です。
また、その下の写真で斜面いっぱいに群生している白い花は、日本でも見られるドゥリアス・オクトペタラ(和名: チョウノスケソウ)です。
このように、去年の今頃、あそこにあんな花が咲いていたから今年もきっと咲いているであろう、といって同じ時期に、同じ場所に行ってみます。
ところがどうでしょう、そこには全く違う花が咲いていたり、花が咲いているどころか、何んにも咲いていないということだって、ままあることなのです。
山の中を、がつがつハイキングしているだけでなく、目を四方八方に配ると、いろいろなものが見えてきます。
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