ナデシコ科マンテマ属に、シレネ・アカウリスとシレネ・エクスカパと呼ばれる美しい花があります。
どちらも緑色の葉枕の上に、可愛らしいピンクの小さな花を無数に咲かせるのですが、よく似ていてなかなか見分けるのが難しい、とよく他人に言われます。
確かに一見しただけではその違いが分からないのですが、近づいてよく観察してみますと、シレネ・アカウリス
(Silene acaulis) には、長い花柄がありますが、シレネ・エクスカパ (Silene excapa) には、それがないことが見てとれます。
次に、葉枕になっている葉の部分に、ちょっと手で触れてみましょう。
エクスカパの葉は、アカウリスより、短くて硬いことが感じとれます。
その他にも、あまり顕著ではありませんが、花冠の大きさの違いなどがあり、エクスカパの方が、やや小さめです。
両者とも、高山の草地やガレ場などによく生育しますが、好む土壌にも違いがあります。
どちらの花も、写真でも見られるように、ピンクの小さな花をびっしりと咲かせ、岩にへばりつくように生育することが多く、その美しさは見事です。
そんなことから、和名では、コケマンテマと呼ばれます。
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