“ ワタスゲ、微かに揺れて ”

ある年の夏のこと、大昔に訪ねたことのある氷河に、近づけるだけ近づいてみました。
しかし、残雪を何度かトラバースし、確か、この辺りまで氷河の末端があったよな、と思った場所には、乾いた岩がゴロゴロと、むき出しになっていました。
遠くから眺める氷河はカチン、カチンに凍った氷の塊のように見えるのですが、その青白い先端は、少しずつ溶けて、ぽたっ、ぽたっ、ぽたっ、とゆっくりしたリズムを刻みながら、雫を落としているのです。
近年の地球温暖化による影響は、氷河の後退に、如実に見られます。

氷河と人造湖の写真