スイス三大名花の一つとしてよく知られる「エンツィアン」は、学名(属名)でゲンティアナと呼ばれます。
触ると、手が真っ青に染まりそうなほど鮮やかな青いラッパ型の花(表紙の写真の円内)は特に人気がありますが、ゲンティアナはリンドウ属を表す属名ですから、その仲間にはたくさんの種類があります。
このゲンティアナの名の由来は、一体どこから来たのだろうか。
そのルーツはなんと紀元前まで遡るのです。
紀元前180年~168年のころ、シェークスピアの「十二夜」やアリグザンダーの「イリリアの冒険」などにも登場する“謎の国”「イリュリア」を治めた最後の王様にゲンティウスという人がいました。
ゲンティウスは、いわゆる ❝エンツィアンの花❞ に、強壮剤としての薬効を発見し、自らも愛用し
ていました。いまで言うリポ●タンDやユン●ルといったところでしょう。
ローマ時代の博物学者であり、政治家、文人でもあった大プリニウス(Pliny the Elder)は、ゲンティアナという花の名はこの国王の名をとって付けられたのだといっています。
因みに、国王ゲンティウスは、現在のアルバニアのコインの裏面にも描かれています。
その主役となるラッパ型のエンツィアンについては、このサイトのいろいろな部分で既に紹介していますので、ここではその仲間のゲンティアナ・オルビクラリスを先に掲載します。
花の形状としては、アッツ桜の花びらをちょっとふっくらさせ、色をブルーにしたような感じです。花冠の大きさも同じぐらいです。
また、当サイトの他のコラムですでに紹介済みですが、ゲンティアナの仲間には写真(下)のような健胃薬としての効能のあるゲンティアナ・ルテアという花もあります。