スイスで一番見たい花はなんですか? とお聞きしますと、ほとんどの方がエーデルワイスを挙げるようです。
確かにエーデルワイスは美しく、その稀少性からいっても “アルプスの貴婦人” と呼ばれるのに相応 しいのですが、エーデルワイスだけがちょっともて過ぎという感じがしませんか。
アルプスには、見過ごされてしまっている花の中にも可憐な花がたくさんあります。
日本でもドクダミは薬草としては結構愛用者が多いのですが、切り花として家の中に飾る人は少ないと思います。
でもドクダミもよく見ると、とてもおしゃれで素敵な花なんですよね。
そんな意味で、私のお奨めの花は下の花です。
その花の名はオーニソガラム・ウンベラトゥムです。この花は春早くスイスの野山を歩いているとよく見かけます。
高山植物でもなく、特別珍しい花というわけでもありませんが、多くの場所で見られ、今年もまた春がきたんだぁ、と感じさせる花です。
別名 “ベツレヘムの星”(Star of Bethlehem)とも呼ばれ、キリスト誕生を東方に知らせた花としての謂れを持つ伝説の花なのです。
キジカクシ科(旧ユリ科)の花ですが、日本でもよく似た花をどこかで見たな、と思われた方も多いことでしょう。
そうです、アマナの仲間で、和名では“オオアマナ”と呼ばれる花です。
ときに大きな木の根元などに、あたかも雪が降ったかのように真っ白になって群生します。
美しい星型の白い花を咲かせ、原産はヨーロッパなのですが、日本にも渡来し、いまでは花の色が黄色、オレンジ色をしたものなど、多くの園芸種が出回っています。
学名: Ornithogalum umbellatum
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