素晴らしい立山黒部アルペンルートを楽しんだら、次は黒部峡谷の最深部に湧き出た人気の高い秘湯「名剣温泉」と「祖母谷温泉=ばばだに温泉」を訪ねます。
この秘湯へのアプローチですが、まずJR北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」で下車します。そしてそこから5分ほど歩いたところにある富山地方鉄道本線の「新黒部駅」で宇奈月温泉駅行の電車に乗り換えます。
そして終点の「宇奈月温泉駅」で下車したら、少し離れたところから発着している黒部峡谷鉄道「宇奈月駅」でトロッコ電車に乗り換えます。
3 この地域には似たような名前の駅がいくつかありますので間違いませんよう気をつけてください。トロッコ電車の乗降駅は上の写真を参照下さい。トロッコ電車にはタイプの違う二つの車両があります。
お天気が良い日に開放感を味わいたい方は窓がない普通タイプのトロッコ客車を、直接風に当たるのが嫌で、ゆったりと旅をしたい方は窓がついたリラックスタイプの客車を選ぶとよいでしょう。
ただしリラックスタイプの客車の方が料金が少し高くなります。別途リラックス車両券が必要です。
ここから終点の「欅平駅」を目指します。
トロッコ電車の車内では、沿線の見どころなどの説明が車内放送で案内されます。どこかで聞いたことのある声だな、と思っていると、ナレーションは、富山県出身で女優の室井滋さんでした。
トロッコはゆっくり、ゆっくりと登って行きます。途中でホテルのベランダから手を振る人がいたり、ダム湖の向こうに美しい朱色の橋が見えたり飽きさせません。
途中で黒薙駅、笹平駅、鐘釣駅などの駅で停車しますが、中でも人気の高い秘湯:黒薙温泉のある黒薙駅では結構下車するお客さんがいます。黒薙駅は後曳橋(あとびきばし)のすぐ手前にあり、黒薙温泉へはここで降りて歩いて行くことができます。
そして1時間20分ほど峡谷美を楽しむと、終点の欅平駅に到着します。秋なら、また紅葉が美しいことでしょう。
欅平駅には立派なビジターセンターがあり、お土産屋さんやトイレもあります。
また、展望台もありますので、上がって周辺を俯瞰してみるとよいでしょう。これから秘湯に向けて歩いていくコースもよく見えます。
そして左手に猿飛山荘を見ながら、道標:白馬・唐松・祖母谷方向に向けて峡谷沿いの緩い登り坂を歩いて行きます。
歩き始めてすぐに奥鐘橋を渡ります。黒部川の本流にかかる朱色の橋で、30m以上の高さから眺める景色はまさに絶景です。紅葉の時にもう一度来てみたいです。
そして緩い上り坂をさらに進むと、写真で見られるようなオーバーハングの「人喰岩」の下を通ります。まるで人を飲み込むような形をした大きな岩なので、その名がついたようです。
しばらく進むと名剣橋が出てきます。
名剣橋を渡ると、日本の秘湯を守る会会員で人気の高い「名剣温泉」の前に出てきます。ここの温泉には岩の露天風呂があり、高齢者より若い人に大変人気があります。
日帰り入浴(大人800円)もでき、食事もとれますので昼食をここで食べていってもよいでしょう。私もここで食事をとりました。また、宿泊もすることができますが、予約が必要です。
この先から道幅が狭くなりますがコースをさらに進むと、全長300mという素掘りに近い古いトンネルが出てきます。
300mもあると、歩いて抜けるには結構長く感じるトンネルです。
足元が悪いので注意して歩いていくと、やがて暗闇の向こうに陽の光が小さく見えて来ます。そして川を挟んだ向こう側には木造の祖母谷温泉の建物が小さく見えてきます。写真はトンネルを出たところです。
祖母谷温泉は荒れた川沿いに建っていて、なかなか秘湯らしい雰囲気があります。
ただ、ここからは正面に見えますが、すぐそのまま温泉へ行くことができません。
右へグルっと回って橋を渡って向こう側へ行かねばなりません。
祖母谷温泉へ行く途中に、ちょっと脇道へ入り河原に出ると自然に湧き出た地獄湯もあります。ただお湯が熱くてとても入れません。
トンネルを出て右に折れ、その先で唐松岳へ登るトレッキング道を右手に分け、簡易づくりの鉄橋を渡って川の向こう側に回ります。
白馬八方池の方から唐松岳に登り、長いトレッキングコースを下ってくればここに出てきます。
そして橋を渡り直進すれば白馬岳へ登るトレッキングコースへと続きます。そこで左手に折れれば、すぐ祖母谷温泉です。
祖母谷温泉へはスタート地点の欅平駅より徒歩で約60分、距離は約2.5kmです。
黒部峡谷の一番奥に位置する温泉で、大自然に囲まれて入る露天風呂は格別です。ただ露天風呂の周りには囲いが全くありませんので、外から丸見えです。
もちろん内湯もあります。入湯料金は 大人1000円です。また予約が必要ですが、宿泊施設もあり、軽食をとることもできます。
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