◆思い出の愛犬 “ごん太”くん (5)

ごん太のお父さんの毛の色は美しい茶色で、お母さんの色は美しい白でした。ごん太はちょうどその中間になったようで、きらきら輝く美しいゴールデンになりました。
新聞配達が得意で、毎朝玄関から新聞を運んできてくれて、亡くなった私の母親もずいぶんと癒されていたようです。
ただ頭がよいとはいえ、そこは犬、新聞休刊日が分からず、新聞のない日は側に積んである古新聞を銜えてきたり、広告が多い日は銜えきれず、途中でバラ撒いてしまったりしていました。

右の写真は400年の歴史を持つ老舗旅館「御湯宿 中屋さん」の玄関です。三国街道をゆく旅人たちの隠れ湯だったという“一望千里の湯”は流石に素晴らしいです。
「何もしない」の旅。・・・がこの旅館のコンセプトということで、東京から新幹線で僅か1時間10分という便利さから、スキー客以外にもたくさんのお客さまが、雪を見ながらの露天風呂を楽しんでいました。

そんな高台にある立派な旅館でごん太は生まれ、女将さんや若女将さんのこぼれんばかりの愛情と、優しいお父さんやお母さん、8匹の兄弟たちに囲まれて、すくすくと育ったようです。
ごん太の優しい穏やかな性格はきっとこの時の環境から育まれたのだ、と納得できました。
雪がいっぱい積もっている旅館の前の広場を駈けずり回っていた子が、狭苦しい我が家に来たから、きっとびっくリしたことでしょう。