美佐子のスイスひとり旅

   = No.9 =

  ~ コルヴァッチ氷河とロゼックの谷ハイキング ~  

ここは割合ポピュラーなコースなので歩いた方も多いことだろう。かなり昔歩いた道を再びたどってみることにした。 サンモリッツ駅からマロヤ方面行きPTTバスに乗り、コルヴァッチバーンのテレキャビン駅へ向かう。
バスは美しいサンモリッツ湖、シルバプラーナ湖岸沿いを走り、スーレーユ村へと行く。 キャビンの駅は山裾にあるが、全てがここを経由するわけでないのでサンモリッツ駅から乗るときは、 行き先を確認してくださいね。

キャビンは途中で乗り換えてコルヴァッチ山頂へ到達するが、しばし山頂からの展望を 楽しんだら再び中間駅ムルテルへ下り、ここからのハイキングを楽しもう。
テレキャビンから下を見ると、今朝は一面真っ白な雪景色。昨日まで降っていた雪が積 もったのであろう。これではスーレーユ峠越えができるかどうかと心配になる。

ムルテル駅で降りると案の定、雪が30センチぐらい積もっている。でも天気は回復基調にあり、薄日が射してきたので歩き始めることにした。幸いにも雪は水をたくさん含んだ春の雪のようだ。日向は心配ないだろう。右手上方にはこれから目指すスーレーユ小屋が見える。

駅を降りてやや右手のガレ場を道なりに下り、トラバースしながら再び反対側の斜面を登って行くと45分くらいで小屋に着く。さすがに日のあたらない山側は雪もしまっていて、深い。

登りきると眼前に素晴らしいベルニナ山群が広がる。素晴らしい景色だ。ひとしきり写真を撮ったり、小屋の犬と戯れたらレストランの前の道を右へロゼックの谷へと下っていこう。石のゴロゴロした道を石に書かれた標識に従って降りて行くと、すぐに、真っ直ぐは谷のレストランへ直接下る道、右手に降りればコアーズ小屋を経由してレストランへと下る分岐にぶつかる。どちらを行っても同じ場所へ出るのであるが、ここは右手の道を取り、チェルヴァ氷河に近かづく小屋への道を行ってみよう。


コルヴァッチから


コルヴァッチを望む


スーレーユ小屋


スーレーユ小屋前

この頃には太陽も燦々と輝き、ハイキングコースの両側には高山植物が乱れ咲く。 歩きやすい道を氷河に向かって歩いていくと、やがて前方左手の山側に氷河が川の ように流れてできた美しい幾何学模様のラテラルモレーンを見ることができる。 前方下の方に乳白色の湖が見えてくるとロゼックの谷、コアーズ小屋への道の折り返 し点である。



ここをUターンするように左に下っていくと、今度は前方にロゼックの谷の入り口と、 さらにその先にはポントレジーナの町が小さく見える。
このあたりの景色は素晴らしいのでぜひ一服して欲しい。一休みしたら再び下り始 めアルプ・オタの一軒家の農家を通り過ぎ、谷の河原に降りて小川沿いに左に15分 くらい歩けば、谷あいの先に綺麗なロゼックグレッチャーのホテルレストランが見えて くる。

なかなか綺麗なホテルで、ポントレジーナの方からもたくさんのハイカーが訪れてい る。このレストランで特製のタルトを食べ、小休止をしよう。そしてその前に、レストラ ン奥の机を前に座っている男の人に馬車の予約を取っておこう。ハイシーズンであれ ば馬車も12~3台は停まっており、3時、4時、5時という間隔で走っているので、 事前予約しなくてもここで予約すれば乗ることができる。

ここからは馬車でポントレジーナまで約1時間。途中何度か登ってくる馬車にすれ違 う。この4時発の馬車は、このままポントレジーナへ帰って、もう今日の仕事は終 りなんだろう。黒いラブラドールとシェパードが飼い主の馬車と一緒にたわむれなが ら帰って行く。2匹が横道に逸れては、じゃれあいながらおっかけっこしている姿 は平和で微笑ましい。

馬車はゆっくりした歩調で歩いているが、夕刻の谷あいを流れる風は恐ろしく肌寒 い。
馬車が貸してくれた膝掛けを肩から被りながら、思わずコックリして馬車から落ちそうになる。

 ・所要時間:ムルテル~45分~スーレーユ峠~2時間~ホテル・ロゼック
 ・ロゼックの谷からポントレジーナ行きの馬車の時間は、11時から最終18時



ロゼックの馬車

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文と写真 by K.Kojima