ミューレンのお花畑の写真

シルトホルン~ミューレンハイキング

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1 シルトホルンはラウターブルンネンにあり、標高3,000mを僅かに下回る高山です。
ここは、現在シニアと呼ばれる年代の方なら大抵観たであろう007シリーズ「女王陛下の007」の撮影場所として良く知られています。
このシルトホルンの頂上展望台へ上るには、大きく二つの行き方があります。
一つは、ラウターブルンネンの駅前から急斜面に架かるロープウェイに乗り、終点のグリュッチュアルプで下車します。
ラウターブルンネンの駅前の写真
2 そして、そこから鉄道(BLM)に乗りミューレンに向かいます。さらにミューレンからは10分ほど歩き、シルトホルン展望台行きのロープウェーに乗ります。
もう一つは、ラウターブルンネンの駅前からシュテッヒェルベルク行きのバスに乗り、氷河で削られてできた美しい谷底を走り、シルトホルンバーンのタル(谷)ステーション駅まで行きます。
そしてそこからロープウェーに乗り、ギンメルワルトを経由してミューレンでシルトホルン展望台行きのロープウェーに乗り換えます。
シルトホルン展望台行きのロープウェーの写真
3 バスで谷底を走る途上には水量が豊富で、迫力のある有名なトゥリュンメルバッハの滝があります。こんな水量が一日中流れていて、よく枯渇しないものだ、と感心します。
どちらのコースへ行っても景色が大変美しいのですが、シルトホルンから下るハイキングを楽しむのであれば、 午後の方がベルナー・オーバーラントの山々が美しいです。
ですから、時間調整の意味も含めて、先にトゥリュンメルバッハの滝を見学してから行くのもよいでしょう。
(注)このコンテンツは1995年に公開したページのリニューアル版です。
画像を少し大きくし、かつスマホに対応するべくモバイルフレンドリーに作り直しました。
写真も一部当時のものを使用しています。

4 シルトホルン展望台からは、晴れていればアイガー、メンヒ、ユングフラウのベルナー・オーバーラント三山のみならず、ブリュムリスアルプまで見渡せます。
ブリュムリスアルプといえば、カンデルシュテークから行くエッシネンゼーの向こう側の奥に見える山です。 このコースの途上からも縦走路がありますので、脚に自信のある方はトライしても面白いでしょう。
ベルナー・オーバーラントの写真
5 シルトホルン展望台から素晴らしい360度のパノラマを堪能したら、早速、歩き始めましょう。
コースは展望台の下からスタートし、ロープウェーを左上に見ながら写真のようなきつい坂を下っていきます。
シルトホルン展望台からのハイキングの写真
6 そしてゆっくり左に旋回し、ロープウェーの下を横切り、再び、右にコースをとると、前方に、往きに通ってきたロープウェーの中間駅ビルクと、右下に美しい湖(グラウゼーリ)が見えてきます。
この道を直進すればビルクの駅へ、左手に行けばシルトホルンヒュッテを経由して、アルメントフーベルへと続きます。
ここでは右の湖の方に向かって下っていきましょう。
ロープウェーの中間駅ビルクの写真
7 湖はそれほど大きくありませんが、晴れていれば空の青さが湖面に映り、とても美しいです。
湖の周りにはエンチアンやヴィオラなどの高山植物が咲き乱れています。
多くのツアー客はシルトホルンをロープウェーで往復して帰ってしまいますが、ぜひ途中のビルク駅で下車してこの湖に立ち寄ってほしいものです。
グラウゼーリ湖の写真

8 この湖までなら、駅を降りて左手の広い歩きやすい道を下っていけば、30分ぐらいで行くことができます。
辺りにはたくさんの牛やヤギが放たれており、のんびりと草を食んでいます。
そして時に、牛がハイキング道の真ん中まで飛び出してきて道をふさいだりします。
人間に悪さをしないものの、ちょっと怖いです。 キンポウゲの写真 エンツィアンの写真

サクラソウの写真 オキナグサの写真
9 また初夏に訪ねると、斜面になった牧草地には、日本で言うオキナグサの仲間である黄、白、赤褐色のプルサティラがたくさん咲いています。
湖で一休みしたら、雨や雪で、でこぼこになった道を、やや左手に下り、次の分岐を右手に折れ、屏風を広げたような尾根の上に登り、峰づたいに牧草地を下っていきましょう。
ハイキングコースらしい道になっていませんが、牛たちを囲むバラ線の柵に沿って下っていきます。
晴れて見晴らしがよければ、下方に小さな村とヒュッテ、そしてハイキングコースがずっと望めますので心配ありません。
オキナグサの写真
オキナグサの写真
10 この尾根からはベルナー・オーバーラントの山々がすぐ眼前に見えます。
日本ではなかなか味わえないような美しさとスケールの大きさに圧倒されます。
草むらに座って小休止をしていると、すぐ目の高さのところを、いろとりどりのハングライダーが通り過ぎていきます。
大きな鳥のような物体が突然後ろから飛来し、ラウターブルンネンの谷底へ向かって飛び去っていくのです。
それも、飛びつけば拾いあげてもらえそうな高さを悠然と飛んで行きます。
ベルナー・オーバーラント三山の写真
11 美しい景色を見ながら尾根を下り、その突端まできたら左手に急な坂道を下っていきます。
降り口の道幅は狭いですが、コースはしっかり確保されています。
また、アデノスティレス・アリアリアエが群生する向こうにはベルナーオーバーラント三山が美しく見えます。
ベルナー・オーバーラント三山とアデノスティレス・アリアリアエの写真
12 15分くらい下ると、やがて小さな川を渡り、さらにしばらく進むと、先ほどのグラウゼーリ湖の下で分岐した道と合流します。
それをさらに下れば、上から見えていたヒュッテと小さな村の前に出てきます。
ミューレンのヒュッテの写真
13 疲れていたらここで小休止し、名物のメレンゲでも食していきましょう。
ここからミューレンの村まではもう30~40分程度ですので、美しい景色を眺めながらぶらぶらと歩いて行きます。
写真はミューレンの村にある有名な花飾りの美しい家です。
ミューレンの花飾りの美しい民家の写真
ご注意 シルトホルンは標高3,000mを僅かに下回る高山です。天候の悪い日、雷注意報が出ているような日は、大変危険なのでハイキングは絶対に避けて下さい。コース途中に、雷に撃たれて亡くなられた女性の慰霊碑もあります。
【所要時間】
◆ シルトホルン展望台から湖まで…ゆっくり歩いて1時間。
◆ 湖からミューレンまで…ゆっくり歩いて2時間半。

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