グロスシャイデック~フィルストハイキング

グロスシャイデックへは、グリンデルワルト駅前のPTTバス乗り場からマイリンゲン方向へ向かう村営バスに乗り、35分くらいで行くことができる。 グロスシャイデックの名は、クライネシャイデック「小さな峠」に対し、「大きな峠」の意味である。 
バスはグリンデルワルト下氷河、上氷河などを経由して、両側が緑で美しい、曲がりくねった峠道を、こっけいなクラクションを鳴らしながら高度をあげていく。 そして、グレックシュタインヒュッテ登山口駅を過ぎると、もうすぐその上は峠の頂上だ。


スイスの写真

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駅前から朝一番のバスに乗ってくると、峠の山側はまだ日が当たらず暗い影が残っている。 そして、ここは標高2000mを僅かに下回る高地、朝方は真夏でも吹き抜ける風がひんやりと肌寒い。
バス停で降りると、すぐそばに小さなホテルレストランがある。

ここから先はしばらくトイレがないので、歩き始める前にトイレを済ませておこう。 目の前にはナイフのように薄く研ぎ澄まされたアイガーが美しい。 横から見るアイガーがこんなに薄いとは、村から見る形からは、とても想像がつかないだろう。

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グロスシャイデックからフィルストへ向かうハイキングコースは、アイガーを前にして右手方向となる、広くてフラットな道を行く。 
また、この峠の向こう側を振り返れば、マイリンゲンへと下るバス道路が美しい曲線を描いて続いているのが見える。

歩き始めてすぐに、写真のような道標がある。 行き先が複数あるので、注意深く道標を確認し、間違わないように、フィルスト、シュレックフェルトの方向に向かおう。 この方向へ向かうハイカーは多いので、まず間違うことはないだろう。

スイスの写真

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このハイキングコースは、天気がよければ見通しもよく、比較的安全だ。 道幅もそこそこあり、若干のアップダウンがあるものの、全線にわたってほぼフラット。  ところどころで小川を横切り、雪解け水で涼も取ることができる。

アイガーをずっと左手に見ながら歩く、素晴らしい絶景コースであるが、ティンバーライン(森林限界)を超えて歩くため、遮るものがない。 女の方は日差しの強い日は、帽子をかぶるなど、日焼け対策を忘れないようにしていただきたい。

スイスの写真

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コースの両側には色とりどりの高山植物が咲き、目を左下に転じれば、木立の中に、小さなアントゼーヴェンゼーが美しい。
道は細く、歩きにくいが、ここから急坂を下って、この湖のほとりまで下りることもできる。

ここからは、晴れていればアイガーがよく見え、風がない日なら逆さアイガーが美しい。 今日は快晴とまではいかないが、まあまあのお天気だ。 これで良し、としなければ・・・。 ここからは今来た道を戻ってもよいし、道なき道を登って本来のコースに戻る。

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右手はシュヴァルツホルンの裾を巻いているのであるが、コース途中からシルトを経由して2928mの頂上へ上ることもできる。
ただし、ここからだと標高差約1000mほど登らなくてはならないので、普段山歩きをしていない方には、薦められない。

前方は写真左のとおり、ずっと見通しがよく開けた道で、歩くにつれてはるか遠くにフィルストなどの駅が見えてくる。
今日はお天気が良いので、犬を連れたご夫婦が、のんびりとハイキングを楽しんでいる。

スイスの写真

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ここはマウンテン・パノラマ・トレイルと呼ばれ、ハイカーだけでなく、マウンテンバイクの愛好者にも人気のコースである。 
グリンデルワルトに滞在し、半日ぐらい時間の余裕がとれたら、このコースを歩いてみるのも面白いだろう。 

ここでは、いろいろなバリエーションが考えられるので、時間に応じて足をさらに伸ばしてみたり、あるいは途中からキャビンで下山して、午後の時間を、村での買い物に当てたりすれば、きっと充実した一日となることだろう。

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所要時間はゆっくり歩いて、グロスシャイデック~フィルストコースが約2時間。 グロスシャイデック~シュレックフェルト~ボルト~グリンデルワルトコースが約3時間半~4時間くらいである。
晴れていれば、危険なところはほとんどないので安心だ。

なお、後者のコースを歩く場合は、距離が長くなり、下りが結構続くので、普段から山歩きに慣れている方にしていただきたい。
また、歩かれる場合は、一部歩きにくいところがあるので、必ず登山靴を履いて歩くことをお奨めする。

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フィルストの駅に着いたら、そのままキャビンで村まで下りてもよいし、ボルトを経由して村まで歩いて下ってもよい。
写真は、フィルストから、さらにバッハアルプゼーの方へ向かった途中である。

村へ下る道はたくさんあるので、心配なら、キャビンのロープの下を右へ、左へくぐりながら駅前にでるルートが一番安心である。
途中、村の中心では見られないような、昔ながらのグリンデルワルトの、のどかな景色などがたくさん見られる。

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