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このコースはスイスの東部にあるモ
ルテラッチ駅からボヴァルヒュッテ
へ往復するハイキングです。
初雪が降る晩秋を狙って、雪景色と
黄葉が美しいエンガディンの山歩き
を楽しんでみましょう。
サンモリッツ方面からベルニナ線に乗り、モルテラッチ駅で下車。駅前からモルテラッチ氷河の方向に歩き、すぐに右折して山道に入り、林道をスイスアルペンクラブ(SAC)のヒュッテへ向う。
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先ずこの道標に沿ってヴァドゥレに向かって歩いていく。モルテラッチ氷河は近年の地球温暖化により、年々氷河が後退しているが、その様子がこの谷の奥にある案内板で確認できる。
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氷河見物のため、このタール(谷)にはハイキングコースが設けられ、多くのハイカーが訪れる。そのコースの途中から右折し、山腹の林道を抜けボヴァルヒュッテへと向かう。
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このコースは過去、夏場に何度か登っているが、カラマツの黄葉と雪景色を見るため11月の雪の日を狙って訪ねてみた。左手に川の流れを分け、右斜め方向に進み、林道に入る。
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朝、ホテルを出た時は雪が降っていたので、お天気はまだどんよりとしている。林道に入る手前に道標がありヒュッテの営業状況がアナウンスされている。写真は駅の方向を振り返ったところ。
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今日はシーズンオフの11月なのでヒュッテは当然ながらクローズ。加えて早朝のためコース上の雪にはまだ踏み跡がない。黄葉したカラマツ林の中を20分ほど登ると小屋がある。
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この辺りは標高が2000mくらいある。高度が増すにつれて、雪が深くなり新雪をキュッ、キュッと踏みしめながら進む。夏場より余計に時間がかかるが、春や秋の雪道の方が断然面白い。
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さらに10分ほど登ると道標が出てくる。ここではチュネッタ(Chunetta)、ボヴァルヒュッテの方向に進む。ここから先にも2回道標が出てくるが、常にヒュッテの方向へ進めばよい。
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しばらく進むともう一つ道標が出てくる。ここはチュネッタというところで標高は2050mだ。ここからはモルテラッチ氷河のターミナルモレーンへと続く谷底のハイキングコースへ下りられる。
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2日続きの降雪も止み、お天気は回復基調にある。ムント・ペルスの谷側には、まだ暗い影が残るがカンブレナ、パリュの方には青空が見えてきた。晴れた日にはこの辺りの景色は素晴らしい。
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このコースは高い位置からモルテラッチやペルス氷河の流れを一望できるので、とても迫力がある。また夏場の黒い山肌が新雪ですっぽり覆われ、より美しいとともに冬の厳しさもうかがわれる。
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林の合間から時折り見えるペルス氷河やピッツ・カンブレナ、ピッツ・パリュなどがとても美しい。日本でいえば夜叉神峠へ登る途中の林道から垣間見える雪の白鳳三山のようである。
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一方目を下に転じれば、雪の中にポツン、ポツンと立つ黄葉したカラマツの木がとても美しい。ここに限らずスイスの秋は素晴らしいので、ぜひ夏だけでなく春や秋のスイスも訪れて欲しい。
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ボヴァルヒュッテまでは片道2時間ほどで行くことができる。また標高差は600mくらいあるが、緩やかに高度を上げていくので、夏の晴れた日なら危険は少ない。ハイカーも比較的多い。
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林の中の道を抜けると、右側が浅い谷となる道になる。道幅は狭いが要所、要所の岩にコース案内のペイントがあるので迷うことはない。ここを抜けると、また下に氷河が見えてくる。
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氷河のすぐ上を歩く道に出ると、左上からピッツ・カンブレナなどから流れ落ちるペルス氷河と、右上から流れるモルテラッチ氷河が合流する地点を目の当たりにできる。まさに”氷の河”である。
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コースは再び、左に大きな岩場を抱える道となり、コース沿いにはアシスト用の鎖がはられている。夏ならそれほど問題ない場所だが、積雪のためコースが見えず、足を置く場所に気を遣う。
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この辺りは吹き溜まりとなっているため、特に雪が深い。コースをよく知っている人は問題ないが、初めての方はヒュッテがなかなか見えてこないので、そろそろ心配、気になってくるころだ。
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大きな岩がゴロゴロした、ややきつい道を右にゆっくり巻きながら登ると、7~8分ほどで上方に目指すヒュッテが見えてくる。標高差は100m足らずだから一気に登って素晴らしい展望を楽しもう。
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小さなヒュッテだが展望がよいことと、比較的簡単に来られることで地元ハイカーには人気のコースだ。ヒュッテがクローズしているのでまだ誰もいない。天気が回復し青空が広がってきた。
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ヒュッテの前には道標があり、表示によるとここの標高は2495mである。帰路はまた同じコースを下って行き、所要時間はスタート地点のモルテラッチ駅まで1時間45分とある。
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ヒュッテの入り口にはスイスアルペンクラブ(SAC/CAS)加盟のプレートがつけられている。SACのヒュッテはどこも展望が良いことで知られているが、ここも素晴らしい。
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しばらく素晴らしい展望を楽しんでいると、後から男女のペアが登ってきた。話をすると、やはり雪のボヴァルを狙ってきたという。この日は往きにも帰りにもこの二人に会っただけだった。
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ヒュッテからは上の地図で右回りに、ピッツ・カンブレナ、ピッツ・パリュ、ピッツ・ベラヴィスタ、ピッツ・ベルニナ、ピッツ・モルテラッチ、ピッツ・ボヴァルなどの高峰が望める。
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カンブレナ、パリュの方からヒュッテの方に向かってペルス氷河が流れ落ちてくる。また、左上の尾根には、ツアーなどでよく行く人気の高いディアボレッツァの展望台が小さく見えている。
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写真はディアボレッツァの展望台を拡大したもの。この下からペルス氷河を渡り、真ん中にあるイスラ・ペルス(失われた島)を経由し、さらにモルテラッチ氷河を下る氷河トレッキングがある。
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3000m~4000m級の山々が連なる素晴らしい景色を堪能したら、帰りは、登ってきた時と同じ道を戻っていこう。青白く光る迫力ある氷河を眼下にずっと見ながら下っていく。
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そして目を凝らしてみると、氷河の上を10人ほどのパーティーが蟻のようになって下って行くのが見える。ディアボレッツァ展望台の下から下ってきた氷河トレッキングの一団だ。(終わり)
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そして目を凝らしてみると、氷河の上を10人ほどのパーティーが蟻のようになって下って行くのが見える。ディアボレッツァ展望台の下から下ってきた氷河トレッキングの一団だ。(終わり)
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