禍福は糾える縄の如し(3)

翌朝再び、見飽きた “東京見物” をしながら成田空港へ向かいました。もちろん、もう一度ビジネスクラスに乗せてくれましたが、この年の旅は、実は、この後もトラブル続きだったのです。エギュイーユ・ルージュからアローラへ下ってくる途中のハイキング道で不覚にも転び、20万円以上もするカメラを壊してしまいました。さらに成田空港では、スイスでダイレクトチェックインした荷物がバゲージクレームで最後まで出てこず、仕方なく届出をして家に帰ると、翌朝電話があり、まだスイスにある、といいます。
そのうえ、3日遅れで届いたスーツケースは無残にも壊されていました。いろいろなことが起きた旅でしたが、スーツケースとカメラは保険で新品になり、何よりも航空会社やパイロットの的確な判断で早めに引き返し、大きな事故にもならず、いまこうして懐古できるのは、事故が最も少ないと評判の航空会社のお陰、と感謝しています。
人生は、まさに“禍福は糾える縄の如し”で、決して悪いことばかりではないようです。

仲良し5人組み、雨が降ってきたので、急いで下りましょ